第24話 反省
「それでは反省会を始めます。」
「はい。」
遊園地で遊んだ後、夜18時に俺の家にやって来た白金さん。用件は今日の反省会である。すっかりガングロメイクを落としており、元の美白肌に戻っている。
俺の部屋で二人共正座で向かい合い、重苦しい雰囲気の中の反省会。ぶっちゃけこんなことする必要あるのか?と言いたくなるのだが、そんなこと言えば白金さんがキレるに決まっているので俺は何も言うことは出来ない。
「まず今回の問題点を挙げて行きましょう。正君、何かありますか?」
神妙な面持ちの白金さんが俺にそんな質問をして来た。まず最初から問題があったよな。
「白金さんがギャルみたいな感じで来たのが、そもそも問題ありましたよ。やっぱり浮いてましたし。」
「マ、マジンガー?」
マジンガーじゃねぇよ。この人まだギャルが抜けきってないんじゃないだろうか?
当人も言った後に恥ずかしそうに顔を赤らめている。
恥ずかしがるぐらいならやらなきゃいいのに。
「オホン、私も途中から気付いてたよ。でも、やり始めた手前、途中からキャラチェンジするのは無理があるし。なんかギャルの真似楽しくなってきたし。おかげさまで美鈴ちゃんのラインゲットできたし♪」
ニコッと二人のライン画面を見せてくる白金さん。余程嬉しいらしいが、トークの部分にはまだ「今日は楽しかった」ぐらいのペラペラな内容しか書かれていなかった。
「それに至近距離で、色んな角度の美鈴ちゃんが撮れたし・・・はぁはぁ、コイツは堪らないぜ。」
鼻息荒く、スマホ画面を見つめてご満悦そうな白金さん。その写真で何か良からぬことをしているのではないかと心配になるが、そこを深堀しても俺に何の得も無さそうなのでやめておいた。
「あの反省すること無いなら帰ってもらって良いですか?俺、今日は一人に成りたいんですけど。」
今日は本当にどっと疲れたので、こんな不毛な会議は本当に早く終わらせて、ダラダラしたいのである。
しかしながら、白金さんは意地悪そうにニタリと笑う。その理由は何となく察しがついた。
「あぁ、一人で今日小便を漏らしたことを慰めるんだぁ♪へぇ♪」
おい、この美少女め。そんな風な言い方あるか。確かに僕は予想通りお化け屋敷でオシッコをドバドバと漏らしてしまったが、それは仕方の無いことである。作り物とはいえ怪異だぞ?怖いに決まってるじゃないか。グロテスクな化け猫が追いかけまわして来るんだぞ?メチャクチャ怖かったわ‼おかげで今日はトイレにも行けそうにないし、コネコーちゃんですら怖くて見れない自信がある。
「ふふっ♪『ぎゃああああああああああ‼お母さーーーーーーーーーーーん‼』って言いながら逃げ回ってたわよね♪あれは傑作だったわ♪」
カッチーン。
流石にココまでバカにされると腹が立つ。白金さんにはオムツの借りがあるが、それにしたって言い過ぎである。
「ふん、どこぞの推し姫様も絶叫マシンにビビッて黄金の聖水を下からドバドバお漏らしになっていましたが、よくそれで人のことを笑えますな。」
「何だとテメー‼ぶっ殺すぞ‼」
ひっ‼・・・さ、さっきまで笑ってたのに、お漏らしのことを弄った瞬間ガチギレじゃないか。負けるな俺、先に仕掛けて来たのは向こうなんだから、俺は全然悪く無いぞ。
「お、お化け屋敷の後、ひょっとこ仮面で二人を助けたのは格好良かったですが、オシッコ漏らした後じゃなかったら、もっと格好良かったでしょうに‼」
「テメーはあの時、絶賛オムツがビシャビシャだったくせに‼」
とうとう俺のシャツの胸ぐらを掴んできた白金さん。そのまま俺の体は上に持ち上げられ、ちょっと足が浮いている。
いやいや、どんだけ力強いのこの人?
「また漏らしたいのか?」
ドスの利いた声でそう俺に問い掛けてくる白金さん。だが俺だって脅しには屈しない。
「このまま漏らされたら、全部バラしてやる‼アンタが悪質なストーカーだってことをな‼」
「やってみろコラッ‼」
こうして言い合いから、普通の喧嘩に発展(俺が一方的に殴られるていたワケだが)、あまりのことにオカンが部屋に怒鳴り込んできて『ココはラブホじゃねえんだよ‼激しいプレイは他所でやりな‼』とか訳の分からないことをのた打ち回っていた。
こうして今日も夜が更けて行く。
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