第4話 ビディーの思惑

魔界では世紀末の様な惨劇だった。性格も容姿も悪い2番手の

ビディーは、


力ずくで暴動を押さえつけようとしたのだが。

魔界での信頼が全く無いビディー

の言う事を聞くことは


どの魔族もなかった。

荒れ狂う魔界。


ビディーは…ようやく杖を我が物顔で振りかざすのであった。


血で血を洗う惨殺を繰り返す

ビディー達。

既に魔界の秩序は壊れていた。


ビディーは…

立ち上がる魔族をも、片っ端から

殺して行き、殺戮を繰り返し、


魔族という魔族達の身体をバラバラにしていくのであった。


ビディーに心は無かった。

ただ、魔王への怒りや憎しみだけが、ビディーの原動力になっていた。

魔界が終わりを迎える頃に、


ビディーは…心無い考えが浮かんだのである。



血を舐め尽くし、ニヤリと笑う

ビディーは…



アイツを殺ろう……。

そう、アイツとは……


嫉妬に狂うビディーは



を遂行しようと考え付いた。



そうとも知らない魔王様は……

シャルルと共に

精霊達に囲まれながらも、魔法の

使い方を習う為に


女王様の居る広場にて平和な時を過ごしていた。




ビディーは

時空を万能な杖で強引に作り、



醜い姿のまま、

精霊界へと殴り込みに現れたのであった。




その恐ろしい姿を見た精霊達は

途端に悲鳴を上げながらも

逃げ惑う!


魔王様は…変わり果てたビディーと戦う羽目になるのならば……

と、自分の美しく伸びた銀髪を

バッサリとナイフで切り……



役に立つから、頼む。出ていってくれないか?』



弱々しい魔王様のそんな姿を見たビディーは腹の底から

地響きする程の高笑いをし、


『ふざけるなぁ!!!』

と魔王様に怒鳴りつけた。



『お前さえ最初から居なければ!俺が……俺が1番だったんだァァァ!!!』



杖を振りかざし力任せに魔王様を殺そうとした!


と、その時!!



魔王様をかばおうとシャルルが

ビディーの攻撃を食らってしまったのだ。


シャルルが息をしなくなると、、

途端に精霊界は……




闇に包まれたのだった。


悲しみの中…暗闇を灯したのは

魔王だった。



『シャルルーーーー!!!!』

そう叫んだ時……ビディーの動きが止まった。



シーーーーン。と静まり返る精霊界にシャルルと魔王様…

2人きり。



シャルルが…ゆっくりゆっくりと

目を開けたのだ。


魔王様は…涙を流した。



心の底から、安堵した魔王様は

(ここを去ろう。)




そう決意をするのだった。

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