最終話 ブッケン/ふたりで住む新居を探そう!
○不動産屋前・夕方
七咲M
「それから季節は過ぎて、梅雨があけた頃。」
SE 町の喧騒
七咲
「先輩、この部屋礼金なしですよ。」
「しかも晴れた日は窓から富士山も見えるそうです。」
「洗面台はバスユニットとは別なのはもちろん、室内干しの場所があるのが理想ですよね……」
「《疲れたー》じゃありませんよ先輩。」
「物件探しに妥協は大敵です。」
「(照れて)それに……ふたりで住む部屋なんですから。」
「先輩は、お部屋になにか希望はないんですか?」
「……全然出てきませんね。」
「本当に何もないんですか?」
「部屋の広さとか、日当たりとか、大事ですよ?」
「ブ、ブランコ付きのアパートなんてあるわけないじゃないですか!」
「マジメに考えてください!」
「《なら、どこでもいい》はさすがにいい加減過ぎます。」
「(照れて)え……《七咲と一緒なら、どこでも》ですか。……はい、私もです。」
「あ、何かひとつ思いついたみたいですね。」
「なんですか、気になること。」
「《ベッドとお布団、どっち派》ですか。」
「なるほど……」
「家ではベッド派ですけど。」
「部屋の広さを考えるとお布団を上げ下げしてもいいかもしれません。」
「《ふたりで並んで寝るの楽しそう》ですか。」
「ええ、確かに楽しそう……ぁ……」
#七咲、実際に想像して赤面します。
七咲
「……ふぇっ!? い、いえ、いやというわけじゃないです、決して! ただ……」
「今先輩に言われて、急にその……実感が出てきたというか……」
「だって、寝る時も、目覚めた時も、先輩の顔が横にあるわけで……」
「想像すると、こう、なかなか……照れくさいですね……あはは。」
「これからいろんなことで、こうやって実感していくんですね。」
「一緒に暮らすんだって……なんだか、ドキドキしちゃいます。」
「先輩も同じ気持ち……ですか? ……よかったです。」
「そうだ! せっかくだから、内見をお願いしてみませんか?」
「気が早くなんかないです。」
「こういうのは善は急げ、ですから! さ、行きましょう、先輩!」
《おしまい》
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