第8話 コウエン/七咲の悩みを受け止めるぞ
○公園・夕方
#ふたり、歩いてる足音。
七咲
「陽、だいぶ傾いてきましたね。……大丈夫、寒くないですよ。」
「あ、先輩。ブランコ乗りませんか? ほら、そこの公園に。行きましょう。」
#ブランコに座ったふたり。キィ、と音が鳴る。
七咲
「(つぶやいて)……やっぱりすごいな。」
「(主人公に向かって)はい、塚原先輩のことです。」
「ロッカーの一件からずっと、モヤモヤしちゃって。」
「でもみんなには悟られないようにってがんばってたつもりだったんですけど……全部お見通しでした。
「それに比べて私は、全然ダメダメです。」
「……フォローしてくれるんですね。優しいな。」
「でも、先輩にも、塚原先輩にも、悪いことをしちゃいました。」
「先輩がお弁当を届けに来てくれたとき、本当にうれしかった。」
「部長としてがんばる姿、見てもらえるって。」
「でも、あんなことになっちゃって……あわてて、失敗しそうになって。」
「そんなところばっかり見られて。」
「自分が嫌になって、でも、そんな自分を認められなくて……気持ち、うまくコントロールできなくて。」
「だからきっと、塚原先輩に嫉妬したのも、そのせいなんです。」
「こんなことになっちゃったの、先輩達のせいだって、押しつけようとして。」
「ホントに子供っぽい……私、部長としてまだまだ未熟でした。甘えてばっかりで。」
「……え? 今以上に、もっと甘えちゃって……いいんですか?」
「先輩は、それで困ったりしませんか?」
「《どんとこい》……ふふっ! ごめんなさい、おかしくて笑ったんじゃないんです。」
「私ひとりで悩んでただけなんだなってわかって。
「全部話せたら、なんだかスッキリしました。」
「改めてよろしくお願いします、先輩。」
「あの……そっちに行ってもいいですか?」
《第9話へ続く》
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