第5話 センプク【ASMR】/塚原先輩に見つかるっ…!?
○輝日東高校・校内・更衣室・ロッカー内・午前中
#ロッカーで密着するふたり。ドギマギする七咲。
#ここから密着しているので基本ささやき声です。
七咲
「先輩、あまりもぞもぞしないでください、気づかれちゃいます。」
「そりゃ、私も動いてますけど……だって、この体勢だと足がしびれそうで……ちょっとだけ動きますね。」
#がたっ、とロッカーが揺れる音。
七咲
「ごめんなさい! でも、ここキツくて……あぁ、先輩も苦しそう……。」
#響、部屋に入ってくる。ここからロッカー越しの声。
響
「見学だけのつもりだったけど……やっぱり見てると泳ぎたくなるわね。」
「運動不足解消にもいいし。」
#響、服を脱ぎ出す。衣擦れの音。
七咲
「なんで塚原先輩が服を脱いでるの!?」
「……わ、私も聞いてません!」
「様子を見に来るとは聞いていましたが、まさか泳ぐとは思っていなかったので……」
響
「ん……水着、ちょっと小さくなった? キツいわね……」
#引っ張られた水着の肩紐が響の背中を叩く、パチーンという音。
響
「なんとか入ったけど……腰回り、気になるかも。」
七咲
「……先輩、鼻息が荒いです。」
「塚原先輩が着替えてるから興奮してるんですか?」
「本当に変態ですね。」
「……なんで叱られてちょっと喜んでるんですか!?」
#響、七咲達がいるロッカーの異変に気づく。
響
「ん? あのロッカー……」
七咲
「っ! 本格的にマズいです……!」
#ぺたぺた、と響の足音。
響
「ヘンよね、これって……」
七咲
「どうして部長が部員をほったらかして。」
「しかも男子生徒とロッカーに隠れてるのか、なんて言われたら……」
「もう終わりです! ああ、塚原先輩が手を伸ばして……!」
響
「こんなところにお弁当箱?」
七咲
「へ……?」
響
「なんでロッカーの上にあるのかしら……しかもこれ、結構重いわね。」
「ふふっ、私も現役の頃は、これぐらいの量はペロリと食べてたわね。」
「……今同じ量を食べたら、水着は着られなかっただろうけど。」
七咲
「あれって、先輩が持ってきたお弁当箱……」
響
「ここに置いとくと見逃しちゃいそうだし。」
「ベンチの上に置いておきましょう。」
「さて! 久しぶりに全力で泳ぎますか。」
#ぺたぺたと足音を立てて、響が部屋から出て行く。
七咲
「塚原先輩……行きました、よね。と、とりあえず外へ出ましょう。」
《第6話へ続く》
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