第15話【ねえwww】同級生の女子に暗殺されそう( ̄∀ ̄)【聞いて聞いてwww】前編3

底辺冒険者が書き込んだ、『闇が深い』という部分について、さらに考察厨兼迷探偵の説明が続く。



■■■


162:考察厨兼迷探偵

さらに詳しく書くと

ドラゴン襲撃事件のようなのは、基本的にそれぞれのエリート校が持つ授業用の敷地内で起きてた

けれど、ダンジョン攻略中にモンスターと遭遇戦の中、最下層へ落下するって事故は、特定のダンジョンでしか起きていないんだ

それ、何処のダンジョンだと思う??


163:名無しの冒険者

おい、まさか

((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル


164:名無しの冒険者

この流れで、その質問って

_| ̄|○ il||li


165:考察厨兼迷探偵

そ、お察しの通り

【落園回廊】だ

今、スレ主と底辺冒険者がいる所だよ

あぁ、そうださっきの書き方だと、ちと勘違いされそうだから、改めて書いておく

平民出身の生徒の犠牲者についてだ


166:名無しの冒険者

なに、まだなにかあんの??


167:考察厨兼迷探偵

平民の犠牲者は複数いる

俺が確認出来ただけでも、数十人だ

内訳は、能力を見出されスカウトされて入学したやつが十数人

残りのやつらは、貴族の子供に仕える小間使いの子だ

普段身の回りの世話するからってことで、特別に生徒として通っていたらしい


168:名無しの冒険者

あー、なるほど


169:考察厨兼迷探偵

で、さっき落下した後に他殺体として見つかったって書いたろ?

でも、中にはちゃんと落下死してる遺体もあったらしい


170:名無しの冒険者

はい?


171:名無しの冒険者

え、どゆこと??


172:考察厨兼迷探偵

つまり、だ

犠牲者が落下したあと、誰かが、犠牲者がちゃんと死んでるか確認にきたってことだ

そして、スレ主のように奇跡的に助かった奴を殺害したって考えることが出来る


173:名無しの冒険者

!?工エエェ(゜〇゜ ;)ェエエ工!?


174:名無しの冒険者

え、なんでそんなことするん?!


175:考察厨兼迷探偵

>>174

そこなんだよなぁ

放っておいても、転移魔法が使えなきゃダンジョンを脱出出来ない

だから、いずれは野垂れ死にするはずなんだ

まぁ、でも、攻略に来てた冒険者に発見されて運良く助かる可能性を潰したかったんだろうな

けど、百階層まで来れる冒険者はそうはいない

これは本当、念の為に確認に来て殺したってことになる


176:名無しの冒険者

でも、ダンジョンの中、目当ての人物を探して見つけるって結構高度な技術や能力がいるはずだよ

なんか書き込み読んでるせいかもだけど、そんな都合よく効率良く、生存者を探し出して殺害する、なんてできるもんかな??


177:考察厨兼迷探偵

>>176

それもなぁ

もしかしたら、そういう技術や能力を持ってるやつが生存者を探して殺し回ってるのかもしれない

そう、たとえばスレ主みたいな魔眼保持者が魔族側についてたりな


■■■


「おぅ、そう来たか」


歩きつつ掲示板を確認していたユートは、そう呟いた。

すでに百階層は過ぎ、なんなら、百一階層もとっくに過ぎた。

順調に進んで、これから百十階層に挑戦するところである。

モンスターは確かに強いが、倒せないほどではなかった。


■■■


181:名無しの冒険者

え、じゃあ魔眼保持者も生存確認されんじゃね?


182:考察厨兼迷探偵

されるだろうなぁ

もしかしたら、もうされてるかも


183:名無しの冒険者

魔眼保持者、今どこらへんだ?


184:名無しの冒険者

攻略進んでるか?

魔眼保持者??


185:魔眼保持者

>>183 >>184

順調ー

これから、百二十階層に挑戦するところだ


186:名無しの冒険者

え、マジかwww


187:名無しの冒険者

はやいwwwはやいwww


188:名無しの冒険者

スレ主、攻略ペース早いよ

もっと実況してくれ


189:名無しの冒険者

>>188

そこじゃねーだろ!

Www


190:魔眼保持者

いや、考察厨兼迷探偵の書き込みが面白くて、ついつい読んじゃって

書き込みするの忘れてた(ノ≧ڡ≦)☆


191:名無しの冒険者

仮に、えーと、生存者を殺害する、殺し屋でいいかな?

殺し屋がきてたとして、まさか標的が百二十階層まで進んでるとは思うまい


192:名無しの冒険者

ハイペースだもんな、スレ主のスピード


193:特定班

これで、スレ主に追いつこうものなら


①かなりの実力者で滅茶苦茶強い

②スレ主と同じ魔眼保持者か同程度の能力を有している


この二点が考えられるな


194:名無しの冒険者

そういや素朴な疑問なんだけど

魔眼保持者って、魔族にもいるの?


195:名無しの冒険者

え、どうなんだろ?


196:特定班

そういった話は聞かないな

あくまで、魔眼が発現するのは人間種族のみだから

亜人種にも魔眼保持者はいなかったはず


197:考察厨兼迷探偵

そういや、聞かないなぁ

そもそも、魔眼自体が生まれつきだし


198:名無しの冒険者

あ、アレって生まれつきなんだ


199:魔眼保持者

先天発現者と後天発現者がいる

先天発現者は、生まれてすぐに魔眼が発現する

後天発現者は、五歳くらいまでに魔眼が発現する


ちなみに、先天発現者は殺されやすい

殺されなくても、生まれてすぐ地下牢生活になる


200:名無しの冒険者

あー、忌み子だもんな


■■■


「そういうこと」


忌み子、という書き込みにユートは呟いた。

書き込みには、地下牢と書いたが、家による。

牢がない家なら、物置小屋に閉じ込められたりするらしい。

スレ民が、さらに遠慮容赦ない書き込みを行う。


■■■


205:名無しの冒険者

ちなみにスレ主はどっちなん?


206:魔眼保持者

俺?

おr


207:名無しの冒険者

ん?


208:名無しの冒険者

どした?


209:名無しの冒険者

打ちミスかな??


210:名無しの冒険者

おーい、スレ主ー??


211:名無しの冒険者

もしかして、殺し屋に襲撃された?


212:底辺冒険者

こっちは、少し落ち着いてきたでござる

魔眼保持者氏、大丈夫でござるか??


213:名無しの冒険者

返事ないなぁ


214:名無しの冒険者

(*´・ω・)(・ω・`*)ナ-


215:名無しの冒険者

まぁ、スレ主だから大丈夫だとは思うが


216:名無しの冒険者

戦闘中ならそれも実況してくれてもいいのにな


217:名無しの冒険者

(*´・ω・)(・ω・`*)ナ-


218:底辺冒険者

いやぁ、さすがに片手を携帯端末で塞いだ状態で戦闘は無理でござろう


219:名無しの冒険者

え~、戦地に招集されたら、

実況するぜ(o´・ω-)bって意気込んでるやつだぞ?

出来るだろ


220:名無しの冒険者

出来ないとしたら、かなりの手練と交戦してるとか??


■■■


スレで好き勝手なことが書き込まれている、その頃。

スレ民の予想は大当たりしていた。

ユートは、魔族に襲撃されていたのである。


「もう!!なんなんだよぉぉおおお!!??」


ユートは必死に逃げていた。

顔を見られたからだ。

向こうもこちらも、視界を確保するのに魔法で出した光球を使っている。

それに照らし出された襲撃者の姿は、褐色の体、つり上がった目、背中には蝙蝠のような翼が生えている。

魔族といったら、これ!この姿!

というテンプレ姿であった。

その手には、何らかの加工がされていると思わしき剣が握られている。

なんで、加工しているのかがわかるのかというと、


火炎ファイアっ!!」


先程からこうして魔法で応戦する度に、その剣が振るわれ魔法が斬られ、無効化されているからだ。

今も火魔法が、斬られ、無効化されてしまう。


「マジかよぉおおお!!??」


正直、魔眼さえ使えばどうってことないのだが、顔を見られている。

コートも持ってきてはいるものの、顔を見られた後ではフードを被る意味が無かった。

対話が可能であるなら、そこから色々情報を得ようと考えたというのもある。

掲示板からもたらされた情報から考えるに、この襲撃者を生け捕りにして真相究明をした方がいいだろうと考えたのだ。

しかし、現状それが裏目に出ていた。

逃げつつ、色々考えた末、ユートは諸々諦めた。


「はふ」


ため息を吐き出して、ユートは魔眼を発動させる。

その間にも、魔族は剣を振るってきた。

魔族は手練だ。

油断はしていなかった。

ただ一つ、知らなかっただけだ。

ユートが、魔眼保持者であるということを。

ユートは、体を魔法で強化させる。

それは、一瞬のことだった。

ユートは、襲撃者の剣を避けた。

襲撃者が驚く。

そして、見た。

ユートの瞳から溢れる、魔眼特有の禍々しい光を。


「ま、魔眼保持者っ!?」


ここで初めて、襲撃者は驚愕で声をあげた。


「おや、凄く人間っぽい反応ありがとう」


ユートの姿が消える。

かと思ったら、襲撃者の体に衝撃が走る。

何かが、襲撃者の体を貫いていた。

それは、漆黒の円錐だった。


「っかは!」


襲撃者が血を吐く。


「ばか、な、これは、この、魔法は!!」


「そう、あんたら魔族お得意の暗黒魔法だ」


暗黒魔法とは、ユートが口にしたように魔族が得意とする攻撃魔法のひとつである。

魔力消費が激しい分、威力は絶大だ。

そう、たとえば特殊な武器か高ランクの魔法でないと傷つけられないとされている魔族ですら、こうして殺すことの出来る魔法である。


「昔、あんたの同胞と一戦交えたことがあってな。

その時魔眼で、コピーさせてパクらせてもらったんだ」


ユートが言い終わると同時に、ガクンっと襲撃者の体から力が抜けた。

絶命したのである。

それを確認した後、ユートは制服のポケットにしまっておいた携帯端末を取り出そうとする。


「ん?」


はた、と気づく。

それから、ユートは体のあちこちをぽんぽんと叩く。

やがて、叫んだ。


「携帯、落としたァァあああ!?!?」


逃げてる途中か、戦闘の際に落としたと思われた。

すぐに、魔法を使う時以上に魔眼をフル活用して、携帯端末を探し始める。

ほどなくして、見つかった。


■■■



290:魔眼保持者

悪い、トラブってた


291:名無しの冒険者

あ!

魔眼保持者!!


292:名無しの冒険者

トラブってたって、なにがあったん??


293:名無しの冒険者

襲撃されたんか??


294:魔眼保持者

まぁ、そんなとこ

魔族だった

1人だけだったけどな、襲撃者


295:名無しの冒険者

うっそだろ

一人で倒したのか??


296:魔眼保持者

当たり前だろ

ここには今、俺しかいないし

他にどうやって倒すっつーんだよ?


297:特定班

参考までにどうやって倒したのか知りたい


298:考察厨兼迷探偵

どうやって倒したん??


299:名無しの冒険者

人間って、魔族とサシで戦って勝てるもんなん?


300:名無しの冒険者

どうなんだろ?


301:底辺冒険者

勝てなくはないでござるが

厳しいというか、難しいでござるな

純粋に魔族の方が人間よりタフで、諸々の意味で強いでござるから


302:魔眼保持者

んー、昔コピーした暗黒魔法使ったら秒で終わった


303:名無しの冒険者

マジかよwww


304:名無しの冒険者

暗黒魔法ってお前

_| ̄|○ il||li


305:名無しの冒険者

暗黒魔法って一人で使えるもんだっけ?


306:名無しの冒険者

使えなくはないけど魔力消費激しいから

下手すると、魔力欠乏症から寝たきりになるぞ

一生


307:名無しの冒険者

わぉ


308:名無しの冒険者

やばいな


309:魔眼保持者

特定班、それと考察厨兼迷探偵に倒した魔族の顔の画像送った

アクション起こすなら使ってくれ

わかってるとは思うが、くれぐれも俺のことは内密にな


310:底辺冒険者

某にも送ってほしいでござる


311:魔眼保持者

んー、底辺冒険者、そっちどんな感じ?

手、空きそう?


312:底辺冒険者

へ?

そうでござるな

これから、行方不明になった生徒一名、つまりは魔眼保持者氏を救出に行くところでござる

魔眼保持者氏の同級生氏が同行を申し出てるでござるが、連れて行っても大丈夫でござるか?


313:魔眼保持者

ダメだな

色々、伝えたいことがある

なんとか誤魔化して、一人で来てくれ


314:底辺冒険者

了解(*`・ω・)ゞ


315:考察厨兼迷探偵

ちょい、メモ代わりに書かせてくれ

ついでに魔眼保持者と底辺冒険者に確認だ


316:底辺冒険者

>>315

なんでござるか?


317:魔眼保持者

なになに??


318:考察厨兼迷探偵

まず、魔眼保持者

お前、攻撃魔法を食らったのは事実なんだよな?

んで、モンスターの襲撃を受けたのも事実だな?

順番としては、


モンスター襲撃→魔法攻撃

これであってるか?


319:魔眼保持者

うん、それで合ってる


320:考察厨兼迷探偵

次に底辺冒険者

ほかに、行方不明者は出てないんだな?

魔眼保持者だけなんだな?


321:底辺冒険者

そうでござるよ


322:考察厨兼迷探偵

さらに底辺冒険者に質問だ

モンスターに襲われていた人物はいたか?

それと、誰がどうやってモンスターを倒した?


323:名無しの冒険者

なんだ、この質問?


324:名無しの冒険者

さあ??

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る