第3条

(今)天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ


(仮)国旗は日章旗とし、国歌は君が代とする。


  2日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。




これは、実質3条が削除されていると同義ですね。


ですが、3条の内容は6条4項に移される、と改憲案にはあります。


しかし、一つおかしい言葉が。改正案の2に含まれる「尊重しなければならない」と言う言葉です。そもそも、憲法とは「国から国民を守るもの」です。確かに義務も定めてはいますが、それらは全て国民にも利となるものです。


教育を受けさせる義務は、その国民の子供に教育という名の恩恵をもたらします。


勤労の義務は、仕事をすることで給料という実質的な利益をもたらします。


納税の義務は、まわりまわって国民全体に福利厚生という必要不可欠なものを与えます。


では、改正案3条2項の「国旗及び国家を尊重する義務」というのは国民に対してどんな利益があるのでしょうか。…ないですよね(笑)


では、国にとっての利益は?


ここで一つ、考えてみてください。


ほぼ全ての宗教には象徴的なものがあり、仏教を例にとると、仏像にみんなで祈りますよね。そして、念仏をみんなで一斉に唱えるわけです。仏教だけでなく、他の新興宗教だとそういう儀式のようなものがより多いです。


それがもたらす効果とはなにか。それは、「一体感をもたらす」です。


実際にこの手法は悪徳宗教や、戦時中にも使われました。悪徳宗教では、暗い部屋でみんなで同じ短いフレーズをずっと唱えるとか。戦時中だと、頭に残りやすい標語を日常的に何回も繰り返し読ませるとか。それだけじゃなく、戦時中は子供の玩具から町中の看板に至るまで標語があって、どこを向いても標語が1つは目に入る、と言っても過言じゃないような状態だったそうです。


では、本題の3条2項に戻りましょう。この条文に基づいて、国旗や国歌に関する法律が制定されたとしたら?机上の空論と言われてもしょうがないですが、例えば「全ての学校では行事のたびに国旗を揚げる」とか。


大分飛躍しているかもしれませんが、そういうふうにどんどんルールは作れてしまうのです。


そもそも、国民に対して国旗や国歌の尊重を定めている時点でなにかがおかしいんですよね。


明確にどこがおかしいかは説明しきれた自信がありません。


ですが、危機感はもってください。それが平和への最後の希望です。

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