次郎物語

下村湖人さんの名作です。

 

 

 

名作という割に、最初の一冊だけしか読んでいません。

いわゆる第一部っていうやつ?

 

読んでて、ひたすら次郎が不憫で不憫で。

なにかいいことがあると、長男三男の行ないになり、悪いことはすべて次郎のせいにされる。

祖父母が冷たいだけならまだしも、母親も次郎に対して冷ややかで。

子どもごごろに『なんなん?この母親!」とムカついてました。

 

そんな中で、好きなシーンがありまして。

ひとりで部屋にこもっていると、父親が入ってくる。

そして手にした箱を次郎の前に置く。

「食べたいだけ食べなさい」(言い回しは違うかもですが、そんなニュアンスの台詞)

それは、普段だったら次郎には切れっ端すらも回ってこないような『かすてら』

それを箱ごと、食べやすいようにナイフまで入れて置いていくんですよ、次郎のお父さん。

美味しいお菓子を目の前にした次郎は夢中になって食べます。

でも、ふと我に返り(こんなに食べちゃ、いけなかったのでは?)と食べるのをやめようとします。

すると切り口が歪んでいて。

それを、箱にふたをするんです。

次郎かわいそう

でも次郎偉い

おまけにお父さん、見てないようでちゃんと見てる!!

と思った場面でした。

 

そのうち機会があったら読み返してみようかな。

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