目指せノルマン

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

今回は勇者マサキの視点です

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


レガード

「状況を説明します。

現在、我々は港町ノルマンに向けて進軍しています。目標はノルマンを占拠する魔族、不動のエベレストを倒し、ノルマンを取り返すことです。

ドバン帝国軍を主力とする連合軍は近年最大級の規模になっています。それだけ本気だと言うことですね。」


ユウキ

「確かにすげえ人数だな。

軍の最後尾が見えねぇな。」


カナ

「だけど、不動のエベレストを倒せるのは私たちだけだもんね。」


レガード

「おっしゃる通りです。

今回の作戦の要は我々が不動のエベレストを倒すことです。

万が一にも我々が敗れるようなことがあれば、作戦の失敗を意味します。」


マサキ

「責任重大だね。

でも、俺たちは絶対に負けないさ。

狂嵐のボウザーを倒した後もダンジョンで修行して腕を磨いてきたんだ。」


ユウキ

「不動のエベレストと狂嵐のボウザー。

セントラル大陸にいる魔族の二大巨頭の一角は倒したんだ。ボウザーと同格なら負ける気はしねぇぜ。」


マサキ

「油断は出来ないさ。

ボウザーとの戦いもギリギリだった。

いくら強くなったとは言え、今回も厳しい戦いになるだろうね。」


カナ

「緊張してるの?」


マサキ

「そうだな。

これだけの大軍の命運を背負っているんだ。少しはナーバスにもなるさ。」


ユウキ

「びびってんなら、俺が不動のエベレストを倒してやるよ。」


マサキ

「フフフ、

残念ながらユウキの出番はないかもよ。

また強くなったからね。」




勇者マサキ一行は連合軍とともにノルマンに向けて進軍している。

連合軍の主力はドバン帝国軍。そこに周辺の小国からの軍、更に冒険者なども参加している。

万単位の軍が動いている。


兵士

「失礼します。

不動のエベレスト軍の布陣場所が判明しました。想定通りノルマン近くの平原です。」


マサキ

「ありがとう。

エベレストがどこにいるかはわかったのかい?」


兵士

「残念ながら、そこまでは不明です。」


ユウキ

「見つけるとこからスタートか。」


マサキ

「仕方ないさ。

見つけて倒す。

それだけだ。」


兵士

「明日には開戦になります。

勇者様、

何卒宜しくお願い致します!」


マサキ

「ありがとう。

不動のエベレストは俺が倒すよ。

だが、敵兵すべてを俺たちで倒すことは出来ません。みんなの協力があってこそ勝利出来るんです。

一緒に勝利を掴み取りましょう。」


兵士

「はい!」




翌日。

連合軍と魔族軍が対峙した。

魔族軍と言ってもすべてが魔族な訳ではない。魔族はその総数が多くない。モンスターでかさ増しされている。

つまり、主力の魔族が倒れると軍としては機能しなくなる。

そのため連合軍は、魔族軍の指揮官不動のエベレストを勇者が討伐する、という作戦を立てている。


ユウキ

「壮観だな。

これほどの戦場、

その勝敗を分けるのが俺たちって訳だ。」


マサキ

「責任重大だな。

だが、その責任を果たすだけの力が俺たちにはある。」


カナ

「頼もしいわね。

でも、油断大敵よ。」


レガード

「そうですね。

我々には失敗は許されませんから。」


マサキ

「わかっているさ。

さぁ、戦いが始まるぞ。」



ついに戦いが始まった。

マサキたちは最前列にはいない。

不動のエベレストを発見次第動けるように、後列に控えている。


最初は魔法や矢が飛び交う。

そして、重装歩兵がモンスターたちとぶつかる。

激しいぶつかり合い。

隊列の整った状態では人間側が有利に進めていく。モンスターには隊列と呼べるものはない。ただ本能のままに襲いかかる。


しかし、それほど楽な戦いではない。

魔族は強い。

魔族の攻撃に隊列が乱れてしまう。

隊列が乱れれば被害が増える。

しかし、魔族兵士も人間の兵士たちの集中攻撃を受ければ負けてしまう。


徐々に戦場は混迷を深めていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る