ギルドマスター オリバー

イリーナ

「皆さん、

会頭のお土産の腕輪は、毒耐性、麻痺耐性がついています。

マヘリアさんのブローチには、弱いモンスターを近づけない効果があります。

トマーシュさんの財布に使われている革はランドドラゴンの革です。

それをご理解ください。」


マヘリア

「アキラ君は、もう少し世間の常識を学んだ方が良いわね。ただのお土産にしては高額過ぎるわ。」


トマーシュ

「有り難く使わせてもらうよ。

使うのに緊張してしまうけどね。」


「リィズとフィオにもあるよ。

包丁とマフラー。」


お揃いの包丁と色違いのマフラー。


リィズ・フィオ

「「ありがとうございます!!」」


リィズ

「大切に使いますね!」

フィオ

「暖かい! スベスベ!」


2人とも嬉しそうにしている。

良かった~。


イリーナ

「ミスリルの包丁に、耐寒スキル付きのマフラーです。」


ガロッソ

「ふ~、

耐寒スキル付きの洋服なんて貴族様ぐらいしか持ってないぞ。

まぁいい。

リィズ、フィオ、そろそろ店に戻る時間だ。戻った時についでに今日の予約を伝えておいてくれ。」


リィズ・フィオ

「「わかりました。」」


リィズ

「アキラ様、ありがとうございました!」

フィオ

「また後で食べに来てください!」


リィズとフィオを見送った後、


ガロッソ

「よし、アキラ。

俺たちもそろそろ行くか。」


「わかりました。」



ガロッソさんに連れられて商人ギルドへ。

商人ギルドに来るのは前に露店を出した時以来だ。


ズカズカ入っていくガロッソさん。

窓口にも並ばず職員を捕まえて、


ガロッソ

「コーラル商会のガロッソだ。

オリバーに会いにきた。」


職員

「ガロッソ様、応接室でお待ちください。」


さすがガロッソさん。

顔パスなんだ。

あっさり応接室に通される。


しばらく待っていると、2人来た。

おじいさんと若い男性だ。

おじいさんの方がギルドマスターかな?


オリバー

「待たせてすまんな。」


ガロッソ

「いや、

忙しい時に時間を作ってくれて感謝する。」


オリバー

「それで、今日は何の用だ?」


ガロッソ

「こいつはアキラと言うんだが、

アキラのギルドランクをDに上げて欲しい。」


オリバー

「ん?

Dランクならギルドマスターの推薦も不要だ。普通に手続きをすれば、簡単になれるぞ。」


ガロッソ

「悠長に手続きをしてられんから、頼みに来たんだ。

まずはアキラのギルドカードの残高を見てくれ。」


オリバーさんがカードを受け取り、若い男性に渡した。男性は一礼して部屋を出た。


しばらく待つと男性が戻ってきた。

オリバーさんは渡された紙を見て、


オリバー

「なんだ!?これは?

ガロッソ!

なんでこんなになるまで放置したんだ!」


ガロッソ

「仕方なかったんだ!

気がついた時にはこんなことになっていたんだ。」


オリバー

「何があったのか、詳しく話してもらえるか?」


ガロッソさんが僕の経緯を簡単に説明してくれた。

もちろん秘密は守ってくれている。


オリバー

「わかった。

ま~、なんだ、そういうことにしといてやろう。

商人ギルドとしても稼げる人間が増えることは望ましいしな。

ギルドカードから手続きに必要な費用を引かしてもらってもいいか?」


「かまいません。

お願いします。」


オリバー

「わかった。ちょっと待っとれよ。」


オリバーさんが若い男性に手続きを指示する。そして、男性が部屋を出た後に、


オリバー

「アキラ君、どうやら君は特殊な力を持っているようだな。

君の力は街のバランスを崩しかねない。

何かを始める時はガロッソや私に相談しなさい。

いいね。」


ガロッソさんは僕の能力については何も言ってないのに。僕の能力をある程度察するなんて、さすが年の功かな。


「わかりました。」


オリバー

「ガロッソも頼むぞ。」


ガロッソ

「そのつもりだ。」


オリバー

「カードが出来たようだな。

よし、これで手続きは完了だ。

それと、これは私の書状だ。

これを見せれば職員は対応するはずだ。」


「ありがとうございました。」

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