第六章・一緒にお風呂

上田邑百の家へと向かうと、彼女の家はごく普通の平凡な一軒家だ。

まるで戦後に建てられたかの様な木造建築物であり、玄関を開けると共に家の中へと入ってく、そして温泉津月妃を上田邑百の部屋へ連れ込んだ。


「ふぅん…和室」


上田邑百の部屋は和室であり、押し入れの中には布団が詰め込まれている。

来客用の布団を上田邑百が持ってくると、それを自分の部屋へと敷いていた。


「あまり弄らないで下さいね、その、恥ずかしいものもあるので」


恥ずかしいものと言われた所で、温泉津月妃にとってはどうでもいい事だった。


「ふーん、恥ずかしいものってこれ?」


とは言うが、流石に机の上に置きっ放しである薔薇本を看過しろと言うのは出来ない。むしろ、それをそのまま置きっ放しにしておいて、弄るなと言う方がおかしい事だ。


「わわわッ!」


慌てながら上田邑百が回収をはかる。

温泉津月妃は早々に手で掴んでいたものを彼女に渡して、そして早速体を伸ばした。


「じゃ、お風呂連れて行って」


「え?…え、私がですか?!」


驚きの声を上げる上田邑百だった。

温泉津月妃は本気だった、そして二人は風呂に入る事となった。


泡を立てる。

真っ白な泡、きめ細かく、両手に溢れる泡を、温泉津月妃の柔肌に塗りたくる。

上田邑百の指先が、彼女の柔肌に吸い付く、ぬるりと、ボディソープが肌を簡単に滑らせた。


「(ああ…)」


風呂椅子に座る温泉津月妃。

体から滴る汗と水滴が交じり合って表皮から流れ出る。

血行が良く、頬を赤く火照らせながら、されるがままだ。

女王が僕を侍らせ支配するかの様に、上田邑百は指先で彼女の体を洗っていく。


手、足、背中から手を回して腹部を洗う。

そして上田邑百は困惑する。


「さ、流石に女性同士でも…触るのは…」


「? なにを言ってるの?全部洗って」


「うぅぅ」


温泉津月妃は特に気にしている様子はない。

むしろ、上田邑百の方が、温泉津月妃よりも恥ずかしく思い、指先が震えてしまう。

弾力のある体、指先に感じる熱、上田邑百は存分に温泉津月妃の体を体感した。


「ふぅ…」


体を洗って湯舟に浸かる。

体を桶に張った湯で流した所で、上田邑百は重い息を吐いた。


「はあああぁぁぁ…(如何に女性同士と言えども…流石に恥ずかしいですが、これは…目が合わせられない…ッ)」


「ちょっと」


温泉津月妃が声を掛ける。

その声に振り向いた上田邑百。


「え、あ、ど、どうかされましたか?」


「入らないの?風呂」


温泉津月妃は、一緒に風呂に入らないのかと、彼女に言うのだった。


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