第35話

山に登るのは、凄く楽しい。町や村では人目がめんどくさい。まぁ私が美少女なのが原因なんだけど。

それでも、やっぱり、たまには息抜きしないと。

「シャドウウォッチ」

影の目。私の加護の魔法。暗がりや影から色んな場所を覗ける。山は動物も居るから遭遇しないように使う。

人気なし。動物も居ない。これならもう少し取りに行ける。


「来ました。アレが俺達の言ってた奴です」

「なるほど、確かに加護持ちのようですね」


薬草は十分に取れた。そろそろ帰ろうとしている時に嫌な連中に会った。

「よう、エル?」チンピラ連中が話し掛けてくる。

「何か用?」少し怖い。いつもなら町の人や兵士が居るから大丈夫だがけど。

チンピラが勝ち誇った顔で寄ってくる。怖い。

ハイ、どーも~❗️チンピラ達の顔がスローモーションでどっかに飛んで行った。

えっ。

「また、絡まれてね?」

「何やってんの?ストーカー?」

「いやいや、ちょっと用事」

「チンピラさ、さっき教団の奴と話ししていたよな」

チンピラが片手で揺さぶられながら喋る。

「俺達に手を出していいのか?あの人は」

ゴン❗️あっ殴った。

「吊るすか?広場に」

「あんた、そんなに派手にやって大丈夫ナノ?」

「知らね。それよりはそこのおっさんに聞きたいね」

木の裏からこっちに歩いてくる。

「教団?」

「どうしてわかりました?」

「隠れてた事?関わっていたこと?」

「どっちもですが消えてくれますか?」

炎が踊るように二筋、翔に向かってくる。軽く避ける。

「おや、凄いですね、でもいつまでも避けられないですよ」

「凄いだろ。メガネさんは火の加護持ちだ。テメーの馬鹿ヂカラじゃ勝てない~」

あっチンピラが起きた。

「めんどくさいな」

「諦めましたか?」

めんどくさいので避けるのをやめた。

火が直撃する。正確には目の前で火の力は上や下に逃げていく。

「何でだ。貴様、何をしている」

翔はゆっくり歩きながら近づいていく。さっきまでの雰囲気と違う。どんどん冷たくなる。火が次々当たってるはずなのにどんどん火が萎んでいくみたい。

教団の人の頭を掴んだ。

「そこの美少女エル。目を瞑ってろ」

サッと音がしたかと思ったらチンピラ達も教団の人も翔って人も居なかった。

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