第33話

王都ラインロードまでの道のりは途中2つ大きな町を通る1つのラハナスはいわば花のようになっていて大小五つの村が中央を中心に広がる。

その外側に兵士が見張りで立って居る。その前には商隊やら人が大勢居る

「どうする翔兄」

「う~ん、早くベッドで寝たかったけど様子見が必要かもな」

「そんな感じだね」

少し遠いが崖上から見た様子では、周囲全面に見張りが居るわけでもなく結構ザルな感じで守っている。


テント張りも結構慣れてきて俺達は早めにラハナスの潜入について議論する事にした。

いままでの様に何も考えず入る事が出来るのか、まずはその辺りを調べる必要があった。

「ニコ?いいか?」

「うん?どうしたの?もうラハナスには入れた?」

「いいや、まだ入ってない。ニコは検問も兵士も居ないって言ってたろ。でも居るんだ。兵士」

「それ、ほんと?」通信の向こうのニコが驚いた声で聞き返してくる。

「僕の方からは結界でまるでわからない」

「やっぱりな、入る前に少し探らないといけない」

俺は少し小さな光の粒を手に作る。

「麻木姉、これに偽装魔法掛けられるか?」

「やってみる」

「よし、じゃあ次はこいつに掛けてみてくれ」それは小さな光の小人を作って渡す。小さな小人はちぱちぱ動きながら麻木姉の魔法から逃げようとするが、俺が捕まえて魔法を掛けてもらう。

「これ何?翔兄ちゃん」

「これにこの布切れを着せれば出来上がり。潜入用のスパイだ」

「どうするの?」

「こいつをあの検問の中に潜り込ませて検問に何か必要なものが在るのかどんな様子なのか調べさせる。許可証とか必要ならこいつに取って来させようってな」

「偽装魔法はどれくらい持つ?」

「これだけ小さいならずっと大丈夫だと思う。私に何か無い限り」

「それじゃ、俺は今晩はこいつで色々観るから見張り番頼む」

「じゃあ、僕が先に見てるよ」


よし、潜入に行きますか。

俺の意識は小人になり小さな小人の目と耳で物事が見れる。

ふんわりと風に乗りながらふわふわと崖から飛び立ち風に乗って検問のある方へ向かう。音もたてずに商隊の男のポケットを見てみる。許可証らしきものは無い。次々と周りの人々の持ち物やポケットを見るが特に必要な物は無いので無視していく。

検問の兵士の兜に乗って会話を盗み聞きしても、あまり意味はなさそう。

「知ってるか?また、教団の連中がこの街に来るんだとよ」

「聞いた。何しにやって来るんだか」

「あぁ、全くだよ。最近の連中の態

度、目に見えて面倒くせぇ」

「何で団長はあんな奴らを許してるんだか」

「わからん」

「交代の時間だ。先上がるわ」

兵士が建物に入って行くので俺もそのまま乗って行く。

「はぁー。帰るか~」

俺は兵士から飛び降りふよふよ周りの様子を見る。どうやら検問に許可証とかはいらないらしい。

だけどそれなら、何を見張ってるんだか。


調べ物も終わったので。小人の調査を終わらす事にした。

「ふゎーぁ、疲れた~」

「お疲れ様~」

なんだ。麻木姉か。そんなに時間経ってたのか?

「お茶、どうぞ」

「おう、ありがとう」

小人の調査は特に何もなかった。許可証も必要ないと伝えて寝ることにした。





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