第17話特訓

アメとムチは続いていた。矢を感覚で避け始める事が少しだけ出来る様になって来た(そう思わないとやってられない)。相変わらず当たるとジュッと音がするし、マジで痛い!。火傷しまくりで、朦朧とする。また意識が飛ぶ。いったい何日続いてるのか?ソレに日に日に矢の威力が上がっているのか、我慢が出来ない痛みになってくる。

がぁっ、あっ、アァァ、指が落ちている。熱が伝わる指から掌までが焦げその火が登って手首まで焦げ始める。迫ってくる恐怖に悲鳴が上がる。

「うわッ助けて、ニコ、助けて!!」

その瞬間ニコが来てくれた。

助かる。そう考えた、、、

ザシュッ!?腕が肘から先が、赤の血が飛んでる。

アァァ、痛ぇええー。アァァ!アァァー。次の瞬間、俺は地面に突っ伏していた。ん、んあ、眼が覚める、意識が飛んでた?遠くで相変わらずニコが軍服姿でポーズをキメながら矢を放っている。近い。一瞬どきりとして手を見る

有る。ちゃんと動く、焦げてもいない。夢か。あまりに鮮烈だったから。本物だと思ったけど、状況的には夢だ。すぐさま。矢を避けながら集中力を上げようと走った。


魔力が正直どうなのかは分からないまま走り続け、ボンヤリ暖かな何かが胸の所から感じられ始めた時、今日の訓練が終わる。

この後は夕飯が待っている。助かる。今日も足がガクガクしていた。地獄の訓練から開放されたと喜んでいると家の扉に張り紙がしてある。

今日は用事があるのでファナの所に行きます。夕飯は買って食べて。中に入るとテーブルの上にお金?があった。

とりあえずなんでも良いから食べて寝たかった。ホントはニコが作る料理が良かったが用事なら仕方ない。焼き鳥焼くライオンのおっさんにお金?を渡して焼き鳥を受け取り、ついでにパンとか、売っているゆるキャラからチーズっぽいのが乗っているの等幾つか買ってそれを平らげながら帰り、家についた所で睡魔にやられた。


「うぅゥー」とさっきから。部屋の片隅でボロボロ泣いているのが居る。突然来たかと思ったら始まった。

私はいつもの配合で作った自慢のお茶とこれまたいつも貰っているご近所神さんのお菓子をもぐもぐして無視する。

「ぉ~ぉ~ゔ〜」言葉にならない小さな声で気分最悪のニコが軍服姿で嘆いている。

「もぐもぐ、もぐもぐ」美味しい

「ずーゴク。ずーゴク」お茶もとても美味しい。

結局、その日ニコは泊まっていった。

小さく呻くのは聴こえるけど、何か聞こうとは思わない。

次の日、ありがとうと、あいつの訓練をする為トボトボと出て行った。

もぐもぐ、今日はニコが好きな花を用意しておこう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る