第15話

地獄の訓練。そう、ニコは笑顔で言った。てっきり、教団と戦う作戦を立てると思っていた。それに俺はそれなりに戦えると思っていた。まぁ、そりゃ、多少はすると思ってた。

始まって直ぐに、俺は正直ヤバイ奴を目覚めさせた事に気が付く。

[まず、そこで見てて少し力を見せるから]

ニコがそう言って専用の訓練場に連れて来られた俺は粛正神の力を見た。

スーッとニコが浮かんで空中を舞う。上空で何か言ったと思うとゆっくり光りだし鎧に包まれた様な姿になった。手のひらの光が槍になりそれを投げたら正に光の速さで山の方へ

次の瞬間。山が消滅した。何かあった跡だけ残して山が消える。

唖然。

一緒に来ていたファナリスが俺の顔を何故か覗き込むと何故かご機嫌な様子でニシシっと笑っている。

おいおい。待ってくれ、あのケンカの時に神様の力使われてたら俺死んどるやん。何も残らんやん。

[見てた?]見てた?じゃねー。

[軽く投げたけど、とりあえずこれが粛正神ニコの力だよ、物に光の力を付与したり光の速さで相手にダメージを与えて圧倒する戦い方が基本なんだ]

[それでね、翔には僕に近づいてもらおうと思うんだ、理解ってくれるよね]

ワカラン!待て!

[やっぱり僕心配だから、翔には僕が心配しなくていいように強くなってもらいたいんだよね]

あっと思い出したふうにでも嬉しそうにニコがテンション高めに言う。

[大丈夫だよ、翔には僕が付いてるし、もうメニューも考えてあるんだ]




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