第11話
その日から毎日のように俺達はアニメを見てはどうだったとか、好きなシーンを繰り返したり、漫画の話をした。この辺が面白い!とか、怖かったとか、爽快だったシーン嫌な気分になったシーンとか。
でも、此処がワクワクしたとかの話は夢中で話した。最後の一週間ぐらいは母さんと始と何度も見た物を詰め込んだ(ギャグアニメを少し多めに)。目の下のクマは一生治らないかも。
[ニコ、どうだった?]
[凄く、面白かったよ、特に他の世界の女神様は最高だった!仕草がおもしろ可愛イイし、突っ込みどころのお嬢様は、うん、大変だと思った、なんかグッズも凄く欲しくなった!こっちには無いのが寂しいぐらい、そうだ、翔が教えてくれたグッズのお店にこっそり行けないかな?]
うん、嵌ってくれた。それでいい。
[じゃあ、分かるな、俺を眷属に…]
[考えさせて]
[だろうな…]
言うと思った。予定通り。
[翔が後半楽しい、ギャグアニメを多めにしてたの分かってるよ、僕に危なくないって翔が眷属になって戦ってくれても死なない、大丈夫って、だから僕は君を眷属にして良いんだって事でしょ。でもさ、僕はもう君に危ない事はさせたくないよ、だから…]
そうニコが言って逃げようとするのを捕まえる。
[だから…無理だって?俺にはみんなみたいな力や能力が無いって?そう言ってるのか?]
[そういう意味じゃ無い事は分かってるでしょ]
[なら、俺が言おうと、してる事も分かるな?]
ニコは黙って聞いている。続けて俺は言った。
[みんな挑戦してたよな?時々、変な方向に行っても、負けねーって最後には勝つって、俺もおんなじだ]
[ニコさ、俺がこのまま、死ぬまで安全なトコに居て楽しいと思うか?…そんで結局、最後には後悔する。そんな未来しか見えない、俺も!お前も]
俺はニコの顔を見る。自分の信条と苦悩してるのが。本当はコイツも解ってる。でも、優し過ぎるコイツはきっと自分が罵倒されても俺の命を守る選択をしようとする。これからもこの先も
ニコに眷属が居ないのは、それが理由だから。本当は誰かに助けてもらいたいのに。自分だけでは上手く行かない事も解ってるけど。
[お前、本ッ当に固いな。もっと軽く考えろよ、粛正の神様なんだろ粛正しよっか?ぐらいのノリで出来ねぇのかよ!情けない神様だな]
グチグチ考えてるから出来ねぇんだよ託されたんだろ。世界を。俺はニコに詰め寄る
[そんな軽いノリで出来る訳無いだろ!出来ないモノは出来ないんだよ!]
ニコが怒って言い返してくる
[軽いノリ?一人も救えてねぇ神様なんざ、いても居なくても一緒なんだよ!そうか、お前のダサい兄さんも何でも出来たけど結局何も出来ない神様だったって事かよ!呆れるね]
パチン!と頬を殴られた
[馬鹿にするな!君には解んないんだよ!!アニメや漫画みたいに考えてる君には!]
すぐに反撃で平手打ちを返す。
[何いってんだよ!!能無し神様共がよ!]
真っ赤な顔でニコが反撃をしてくる為に突進してくる。それをそのまま蹴り上げる
[助けられた癖に]口から血が出るのを拭きながら睨みながらニコが言う
[たまたま見つけただけだろ!俺達を助けられた訳でもねーのに大きな顔すんな]こっちから殴る為にダッシュする。いきなり詰められてとっさに防御する為に丸くなる。予想通り、コイツはあんまりケンカした事ない。こっちは昔から兄弟喧嘩しまくってたから場数は踏んでる。ラッシュ。
[こっちは君達の事を考えてるのに]防御しながらニコが言う
[考えた結果がこれかよ、役に立他ない神様だな居なくてもいいんじゃないか!!あぁそうか、だから居なくなったんだよ、お前の兄貴!居ても意味が無いから]
ニコが渾身の力で俺の顎を打つ。
[いい加減にしろ!僕達は君達を考えて色々やってた]
正直効いた。でも負けない。
[だから?なんだよ!考えて色々やってたのはお前じゃなくて兄貴の方だろ!自分を含めるなよ無能]
[うるさいよ!]
[本当の事言われて怒んなよ!]
どっちも思い切り殴った。床に転がりながら俺は言った。
[病人相手に互角とか]
[こっちは能力使って無いんだから]こっちを見ずに言う。
[だからこそだろ、能力無しだったらお前は強くない、まぁ使ったトコ見た事ねーけど、つまり、お前みたいなヨワヨワな神様には助けが必要ってことなんだよ、ニコ]俺はニコの背中に向けて話す。
[死んでも知らないよ?また助けられないかも知れない、最悪君が結晶になるかも]ニコはこっちを見ない。
[そん時はそん時に考えろよ]
俺はゆっくり起き上がると汚れを払う。
[じゃ、これからよろしくなニコ!そうだ!一緒に風呂に入るか?裸の付き合いって奴だ]
[一人で行ってよ、変態が伝染る]
まぁ、ベタなやり方かも知れないけど、俺はニコが変わってくれると思った。
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