第3話母の旅(続)

私、晴香は異世界に転生した。たぶん今頃、向こうの世界では私達家族のお葬式がされてる。両親には悪い事したなぁ。こっちで生きてるなんて連絡も出来ないし、「始〜翔〜寂しいよ〜」と我が子達に語りかけてみる。

そうだよね。お母さん頑張るぞー。2人が産まれたら先ずは生活するため何かしなくちゃね。うわーん異世界の神様〜何かスキル、スキル!

「何やってるの?」とベッドの上で突っ伏す私を見てミリアノが言った。

何でこのタイミングで来るのよ。

仕事が早く終わったらしく、様子を見に来てくれたらしい。この世界来て最初の友人だ。少し冷たそうな雰囲気があるけどここまで色々してくれたいい人だ。こっちの人って優しいんだよね。服やら食べ物とかもたくさんもらったし、何かと気にかけてくれる人が多いよな~。

「ねぇミリアノさんや、この世界の人って皆優しいよね、何でこんなに優しいの?」

「そうかな、普通でしょ、それに異世界から来たなんて大変じゃない、だから自然とね」と当たり前よと教えてくれた。

昔のご近所のおばさんの話でもよく言ってたな、昔は皆お互い助け合ってたよって。

そうだ!もう一つあるんだった。

ねぇねぇ。「この世界に神様っているの?」

その時一瞬だけどミリアノの顔が良く分からない顔になったけどすぐに答えてくれた「居るわよ、たくさん!そんな事聞いてどうするの?」

私の知ってたお話(まぁアニメだけど)では神様的なモノが何かしら異世界転生した人に恩恵をくれるって話す。会いに行けたりするかもと。

「どうかな~、居るんだけど会えるのかな~、う~ん一応ね会える人もいるらしいのよ」

「えっマジ?会える神様とか居るの?会えるアイドル的な?」

「わかんないわ。私は会った事無いし、でも晴香のような人なら会えるかもね」それから今度は私が向こうの事を教える番に変わって、病院のお医者さんに安静にしなさいと言われミリアノは帰っていった。

次の日の夜頃私は始と翔に再開出来た。向こうの世界とそっくりな手、足、そして可愛い顔が見えた時には泣きそうになる。お前等可愛過ぎかよ。

でも、どうやら力を使い果たしたようで凄く体がだるい。お医者さん達が慌てる様子で解るやばいのか~。

目を開けるとミリアノがいるけどよくわからない。何か言ってるけど。異世界人がどうとか。よく聞こえないな。

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