第2話母の旅

母さんは最初何が起こったのか理解でき無かったんだと思う。

ここは一体何処なんだろう。息子達は何処にいるの?近くを探さないと。

私達は家にいた。寝ていた。でも変な気分がしたから起きた。山の方が妙に気になったけど。そうその後に飲み込まれた。でも生きてる。

体が重い。まるで何かが乗っかっている様に。私のお腹大きくなってない?

何で?もしかしてお腹の中に[始と翔]がいるの?あり得ない事だが自分には理解る。きっとそうだ!ならば病院を探すしかない。こんなところで野垂れ死に出来ない。

私は探した。手掛かりに成ものを、でも歩きにくい。靴も履いてない。全身に力が入らない。どう見ても自分が住んでいた街ではないという景色に。砂漠に巨大な岩がそびえている。時折洞窟らしい場所もあるが中で休んでいられない。なんとか人を探すのだ。街に行けば何とかなるだろう。だからここで休む訳には行かない。

執念が通じたのか運が良かっただけか人が居た。「おいおい、どうしたこんな場所に君大丈夫か」と男が言う。他の人がミリアノ様に伝えて来いと言う声がしたところで意識が無くなった。

目が覚めると白いベッドに寝かせられていた。どうやら病院か大きな施設か判らないが他にもベッドがたくさんあった。もしかしたら仮眠室とかかもと考えてたら若い女性が声を掛けてきた。「起きた?貴方どこから来たの?」

私はいつの間にか此処にいて安全な場所を探していたのだと言った。

「とにかくここは安全、それに妊婦を放っておくなんて出来ないしちなみに此処は私達の研究所。人の為になる薬の開発をしてるの」

「私は晴香っていうの貴方の名前聞かせてくれる?」

「ええ、良いわよ、私は此処の研究所主任でミリアノっていうの。よろしくね晴香」

今晩は此処に泊めてくれるそうで明日には病院と街の案内をしてくれるそうだ。良かった、此処が何処であろうととにかくは安心した。

朝街の病院に行くとお腹の中の子供達は大丈夫だった。そろそろ産まれるはずと教えられ産まれるまで病院で過ごす事になった。その為に衣類や必要な物を買わなくてはいけない。

「私、お金ない!どうしよう!」

「だと思った。多分こうなるとは思ってたので一つ私と友達にならない?」

「どういう事?」

つまりミリアノは私がどうして砂漠の巨岩地帯にいたのか

「貴方はきっと異世界転生人だと思っているのよ、私は」

前の生活を聞きたいという興味がある。だから話をしてくれるならいろいろと手配しましょうといった。

「でもそんな事でいいのかな、大した事話せないよ」

「いいのよ適当で、とにかく用意しなきゃでしょ入院するんだから、後で貴方がどうしてもと言うなら落ち着いた後で借りを返してくれれば良いの」

運が良かった。初めは頭が混乱してたけど。

「私みたいな人がよく現れるの?」

「偶にだけどね」

私は病院のベッドに横になりながら考えていた。何故此処に?転生ならば神様的なモノが何かしらを与えたりするのが常識では?こんなにほっとかれるなんて、転生って大変だなぁ。

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