石を喰う2人

「やっぱりラピスラズリは美味しい。色が濃くて、金色の天の川がかかったものが一番だ」

 友人はいつもそう言ってラピスラズリを口に放り入れてカリコリと良い音をさせながら食べる。僕は蛍石がいいと言って抱え持っていた壜の中から青い蛍石を取り出して口に入れた。砕けた蛍石はほんのり甘く、最後少しだけ舌に炭酸に似たしびれを残して消える。

「蛍石は黄色が好きだ。カスタードみたい」

「僕もそれ好き」

「そこは一緒だ」

 何がそんなに嬉しいのか、友人はにこにこ笑って僕に抱き着く。ただ僕も内心悪く無いと思っているので、おあいこなんだ。

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