■ドキドキする
恋愛もので一番分かり易い表現って「ドキドキする」ですよね。私も良く使用します。ただですね、読者は「ドキドキする」と言う単語を読んでドキドキしている訳ではなく、ストーリーでそのこに至る過程とか、その場のシチュエーションを想像してドキドキしていると思うんです。「過程(プロセス)は不要か」でも書きましたが、「ドキドキする恋愛もの」には、やはりシチュエーションやプロセスが大事なんだなあ、と思う次第です。
実際に恋愛されたことがある方ならお分かりでしょうけど、恋愛時(付き合い始め、ぐらいかな)のドキドキの根源は恋慕の情であり、不安であり、独占欲であり、満足感であり、虚無感であり、性欲であり……とにかく日頃感じない様な感覚を絶えず感じることによる体調の変化だと思うんですよね。「ドキドキ」と言ってしまうとまあそうなんですが、心拍数は上昇しているでしょうし、一般的な他の表現では「胸が苦しい」です。喉のちょっと下、ウルトラマンで言うとカラータイマーがある辺り(笑)が若干重いと言うかそこに意識が集まっている感じですよね。心拍数が上がって脳に血液が過剰に提供されるからか、耳の上辺りから後頭部、それに前頭葉にも若干引きつった様な感覚があって、それが前記の胸の部分とつながっている様な意識があります(私の場合だけかも知れませんが)。
これを端的に表現するために「ドキドキする」と書く訳ですが、読者にこの言葉をキーとして恋愛疑似体験をしてもらおうと思うと、やはりある程度はシチュエーションやプロセスを描かないとだめですよね。「読者に同様の記憶を呼び起こしてもらうための準備」とでも言うべきでしょうか。
「異世界恋愛」でのこの「ドキドキ」は、多分「吊り橋効果」に近いのではないかと思ってます。まあ、イケメンに甘い言葉を書けられる主人公に同調してドキドキするのはあるのかも知れませんが、それよりもそれらのテンプレートに沿って以前の作品の内容から「ドキドキしそう」と思っている、もしくは恋愛以外の、例えば「追放からのざまぁ」的な展開を期待して興奮を覚えているんじゃないかと。「異世界恋愛」ものでは離れていることの切なさや、「会いたい」と思う渇望が描かれているものってあんまりないですし、そういうのを描く作品ではないんですよねきっと。大括りに「恋愛もの」と表現してますが、「小説家になろう」で人気の「異世界恋愛」ジャンルと、推しカプの関係性にフォーカスした恋愛ものでは、ベクトルは違っているんだと思います。
以下どうでもいい話ですが、私の場合どんなシーンでも、恋愛ものじゃなくても「ドキドキするシーン」を書くのはしんどいです(^^;。だって自分もドキドキしますからね、書いてて。二次創作でR18やそれに近いものにもトライしたことはありますが、やはりしんどかったです……ドキドキしますからね(^^;。他の作家さんってどうなんだろう。私はまだまだ修行不足なんですかね~。
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