第2話 直談判

 以外にもすんなりと着いてしまった

 ここに来るまで何体もの火の魂を見たがその全ては同じではなく赤かったり、青かったり…でも白いのが1番多かった。

 

「なんで着いてきてるんですか?」


 私の後ろで息を切らしている職員に対して問いかける

 ずっと文句なのか言い訳なのか分からないことを言っていたからか、たった数時間の道のりなのにシャトルランを終えた後みたいになっている


「ハァ…だからゼェ、怒られハァ…って言って ゲホゴホ…でしょ」


 まだ呼吸が整ってないのに返事をしてくるせいで少し聞き取りづらかったがやっぱり文句の言葉しか出てこなかった


  ◇◆◇


「中は随分と広いんですね」


 外から見た時はそうでも無いと思ったが廊下は4人並んでも窮屈しないくらいには広いし、ドアの窓から部屋が見えたが1番小さいところでも学校の教室程の広さはあるように見えた

 それに白を基調としたシンプルなデザインは蒸留所と名にふさわしい清潔感があった


「そりゃそうですよ。なんてったって冥界自慢の観光名所にして全魂を…」


「そういうのいいから」


「…さいすか」


 鼻を高くして自慢しようとしたところ悪いが隙自己なんてさせてたまるか

 

「はぁ、着きました。ここが署長室になります。」


 そう言って職員はコンコンコンコンとノックをしてドアを開けた


「署長、少しお時間よろしいですか?」


 そう声をかける先にはもはや壁となっている書類の山…


「俺は忙しいこと知ってるだろ」


「そこをなんとか…署長に話をしたいって言う魂が居て…」


 そこまで言ってガタッと音がしたかと思うとバサバサと派手な音鳴らしながら雪崩を起こしていた

 ここの職員は皆なんというのだろうかドジな奴が多い気がする

 

「おいどうしてくれる?これ仕分けるの大変なんだぞ」


「それは署長の管理不足が原因です。署長がサッサと片付ければ良かったのを後回しにしてたのが原因です。あたかも私のせいみたいに言わないでください」


 この職員上司に向かって強気すぎるだろ…


「はぁ、それで、話したいってやつは何処にいる?」


「あ、それは私」


「あー悪いが帰ってくれないか」


 一蹴されてしまった


「結構急ぎの話なんだけど」


「見て分かると思うけど忙しいんだ」


 それはあなたのせいでしょ


「それは署長のせいですよ」


 だからこの人上司に対して強すぎでしょ


「…はぁ、わかったよ話は聞こう。先にこの書類だけ片付けさせてくれないか」


「話を聞いてくれるなら私は大丈夫」


 渋々という感じだがひとまずここまでこじつけたなら可能性はあるな


「ありがとうございます」


 あ、この人こんな顔もするんだ

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