第3話 絶望のステータスオープン(ゼロ)

「ステータスオープン!」


そんな僕の声とともに僕の目の前にはまな板より少し大きい半透明の文字盤が現れた



ゼロ・クライム

Lv.1

攻撃力 1

防御力 1

魔力 1

賢さ 1

素早さ 1

魅力 1

運 1

呪い ステータス、Lv.共に上昇なし



は?


僕はこのステータスを見て言葉を失ってしまった。更に後ろから押し寄せるような絶望と不安が迫ってきていた。

何だ、この変なステータス。今までに見たことも聞いたこともない。おまけにギフトや称号もないじゃないか、しかもなんか呪いもあるし、

嘘だ、嘘だ、嘘だと言ってくれ..............................................


「どうだった?」


「ヒィ!」


「どうしたの?そんな素っ頓狂な声出して、あ!もしかしていいステータスが来て腰が抜けてるとか?」


「.........................................................」


僕は何も言えなかった。もしここで嘘をついてそうだったといえば後に起こることは考えるまでもないことは明らかだ。しかし、僕は黙り込んでしまった。ここで本当のことを伝えてしまったらと思うと恐怖で体が動かなかった。僕が無能だとわかった瞬間に見放されそして軽蔑され、のけものにされるのではないかと。実は僕は密かに抱いていた思いがある。僕はレイナが好きだった。あのどこかおっちょこちょいな性格があり見放せない存在だった。僕はいつか彼女を守れる様になりたいと思っていた。

だが、この有様だ。こんなんじゃ守れるわけがない。何なら僕より圧倒的にレイナのほうが強い。僕はここで絶望に染まった空をひたすら眺めているだけだった。

そして段々と体から力が抜けていくのを感じた。これがステータスの効果なのだろうか?そんな事を考えてるうちに体が重くなって体力が一気に無くなるのを感じ取った。なんせ全部一だし無理ないよな。

だけど僕は未だに現実を受け入れられなかった。


「、、r ゼr、、 ゼロ!ゼロってば!もぅ!どうしちゃったの?空なんか一点集中で見つめちゃったりしてゼロらしくないな〜」



「ハハ.....僕らしくない、ね」


「君に話さなければいけない事があるんだ」


「どうしちゃったの?急に改まったりしちゃって?」


「どうしても聞いてほしんだ」


「いいけどどうしたの?」


「.....ぼ、僕、さっきステータス開いたじゃん?」


「うん」


「その内容なんだけどね、これを見てほしいんだ」


「うん、わかった」


僕はそう言うとステータスを彼女に見せた。正直言ってどんな反応されるか怖くてたまらなかった。だけどこれ以外方法がなかった。どのみち絶望なんだからここで打ち明けてしまおうと決めた。


「え、どうしたのこれ?なんか呪いもあるみたいだけど....」


「しかもステータスも称号も....」


「ハハ....正直びっくりだよ僕がこんな無能の落ちこぼれだなんて僕のこと嫌いになったよね....」


僕は覚悟を決めた。彼女になんと言われようとこれが僕の運命だ。

短い間だったけど僕に初恋という夢を見させてくれてありがとう。


その時だった。


「そんなことない!そんなに自分を否定しないで...私、ゼロがどんなステータスであろうとどんな能力であろうと私は絶対に嫌いになんかならない!」


僕は耳を疑った。そして気づけば涙が流れていた。こんな姿みんなの前じゃ見せられないな...。幸い、今僕達がいる場所は、儀式台から少し離れた人のいない場所だった。

僕達は儀式後、レイナのステータスが判明したあと僕に王都に行く話をしていたときに、村長が気を使ってくれて僕達だけにしてくれた。だからいまここには僕達以外誰もいない。

嬉しかった。とても言葉に表せないほどに嬉しかった。

僕の不安は完全になくなったわけではないけど結構吹き飛んだ。

それもこれも全部レイナのおかげだ。


「ちょっと何泣いてんのよ〜そんなに私の話に感動したの?」


「うん、とても嬉しかったよ。正直嫌われてどっかにいってしまうんじゃないかと怖かったよ。」


「そんなことしないわよ。だって私とあなたは小さい頃からずっと一緒に育ってきた幼馴染なんだもんこんなことで嫌いになんかならないよ。むしろ私がそばにいてあげないとっていう気持ちが大きくなったわ。」


「やっぱり君は優しいね。おかげで少し希望が持てたよ。呪いなんて後で払っちゃえばいいもんね」


「そうそう自信を持ってねゼロ!」


そう言いながら僕達は村長のいるところに戻ってきて打ち明けることにした。

それこそ村長は最初は驚きはしたが僕を励ましてくれた。僕の母も父も弟も同様に僕を慰めてくれた。僕はつくづく幸せものだ。こんないい人たちに恵まれて僕は心から嬉しくなって同時にとても安心した。



そして時は二年後、現在に至る

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何もできない落ちこぼれ少年は、あることをきっかけに世界最強の冒険者になって世界を無双します。 -零-ゼロくん @zerokun

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