第13話 イベントスキップ!
5年後。
僕は10歳となり学園に入学することとなっていた。
今日は入学式。
僕はオニューの綺麗な制服に身を包んでいた。
「お似合いですよルビアス様」
「ルゼルこそ似合ってるよ。可愛い」
そして僕だけでなくルゼルも学園に入学することとなっていた。
僕はルゼルと共に入学式の行われる体育館へと向かった。
入学式は自由席なようでルゼルの隣に座る。
しばらく待っていと学園長が壇上に立ち
「えー。皆様。当アーノルド学園へご入学おめでとうございます」
(あー、これ長いやつだ)
【チート】
もう既に慣れた手つきでチートスキルを呼び出してチートコードを入力した。
0x011FD190 0x00000006
時系列が変化した。
キーンコーンカーンコーン。
「へ?はわ?」
壇上で学園長が困惑していた。
「え?も、もう終わりなの?!え?!ワシなんも話してなくない?!」
学園長が困惑しているが時間が経過したのだ。
別の先生が進行を進めていく。
「なんなんだ?」
「さっきまで校長が話そうとしてたよな?どういうことだ?」
そう言いながら生徒がゾロゾロと体育館を出ていく。
これが、僕のチートスキル。見事に学園長の長い話をスキップしてやった。
「さて、ルゼル。僕達も出よっか」
「はい」
2人で外に出る。
ちなみにクラスも一緒だ。
同じクラスの一年二組。
それが僕とルゼルのクラス。
「教室どこだっけ?」
「4階ですね」
「うげぇ、階段登るの面倒なんだけど」
僕はルゼルをちょいちょいと呼び出して人目の付かない場所に移動した。
そして
0x217F7E28 0x00000000
0x217F7E2B 0x00000000
僕は二人分の座標変更チートを入力した。
エンター!
ヒュン!と次の瞬間僕とルゼルの体は4階にあった。
「相変わらず凄いですねルビアス様のチートスキルというものは」
「そうかな?」
僕としては使い勝手悪いなぁとか思ったりはするんだけどね。
やれる事の幅はとにかく広いと思うけど、コード入力の手間があるから、魔法とかに比べてワンテンポ遅れてしまう、というのはデメリットかなって思ってる。
まぁ、それ以上のメリットというか強みがあるとも思ってるけど。
教室の中に入る。
既に多くの生徒が席に座っていた。
「えーっと、僕の席は、と」
教室の後ろに映し出された魔法による映像を見た。
僕の席はどうやら窓側1番後ろの席らしい。
ルゼルとは離れてしまうようだけど同じクラスなだけまぁいいだろう。
席に座っていると
「おい」
声をかけられた。
そちらを見ると髪の毛を逆立てたヤンキーみたいな男が立って僕を見ていた。
「お前、俺と席変われよ。俺、この席がいいんだよ」
「そんなこと言われてもここ僕の席……」
「あぁ?!」
(ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!)
前世のことを思い出した。
僕は前世でもこうやってクソヤンキーに怒鳴られていた。
「変わります、変わりますから」
「へっ。初めからそう言ってたらいいんだよ」
ドカッと僕の席だった場所に座るヤンキー男。
「あの、君の席は?」
「んなもん自分で調べろよノロマが」
「は、はい」
情けないけど僕はもう一度座席表を確認した。
でも名前知らないから分からなかった。
でも、既に教室は埋まっていたので、どこがあのヤンキーの席かは分かったし。
逆算して名前も理解した。
(ヘレンケってやつか)
僕は名前を確認して席に座った。
それから数分後先生が入ってきていきなり授業が始まることとなった。
先生が点呼を取っていく。
名前を呼ばれた生徒は自己紹介をしていくのだが、やがてヘレンケの番になった。
「ヘレンケだ。特技は……」
と自己紹介していくヘレンケ。
その行動のプロパティを【鑑定】で開く。
0x21201B10 000000856
これが奴のプロパティ。
これを改変すれば奴の行動を僕が変えることができる。
(さて、どうやって遊んでやろうかなー)
僕の顔は今悪魔のようになっているだろう。
【チート】
自己流にコードを変更してエンター。
すると
「ウッキッキー!」
ヘレンケがそう言って立ち上がった。
「へ、ヘレンケ君?」
そう訊ねる先生。
「ウッキー!」
ヘレンケが制服を脱いだ。
つまりヘレンケは今下着姿だった。
「みんなー!俺のえっちな姿みてー」
ヘレンケの指が下着に伸びようとしていた。
「きゃー!!!!!」
女子達が視線を逸らす。
「へ、ヘレンケ君?!落ち着いて?!」
先生だけは目をそらさずに見ていたが、その時コードを書き換えて少しだけヘレンケに自由を与えてやることにした。
「はっ!か、体が言うことを効かねぇんだ!」
「ど、どういうこと?!」
「助けてくれ!先生!体の自由が!」
僕はヘレンケの行動を更にいじっていく。
ヘレンケがガラッと窓を開けた。
その窓枠に立つヘレンケ。
「1発芸いきまーぷ!空飛ぶヘレンケ!ぴょーん!」
ヘレンケが窓からダイブした。
しばらくするとグシャッと地面に落ちる音。
(僕に歯向かうからだよヘレンケ)
僕がそう思っていると教室中は悲鳴に包まれた。
「へ、ヘレンケ君?!」
窓際まで見に行く先生だが、死なないように設定してある。
ただ、まぁ。
軽い怪我で終わるわけもないかな?
それなりに重症にはなっていると思う。
【チート】
0x21201B10 0x00004650(視点変更)
僕は座ったままの状態で視線だけ窓の下を見られるポジションへと移動。
「だ、だずげて……」
下ではヘレンケが潰れたカエルみたいにもがいていた。
(流石にやりすぎたかな?)
前世で似たようなクソヤンキーにいじめられたことを思い出してここまでやってしまったが、やり過ぎたかも、とか思い始める。
ヘレンケの状態をいじり立てる状態にしてやった。
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!呪いの学園だぁぁぁあぁぁああ!!!!うわぁぁぁぁあ!!!!」
ヘレンケは立てると分かったらすぐさま走りだし行った。
校門の方へ。
ヘレンケの叫び声はこの教室まで響いていた。
「せ、先生は職員室に行ってきます!皆さんは自習をお願いします!」
こうして入学初日、その初っ端の授業から自習になってしまうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます