第10話 ギルドに登録!
タッタッタッ。
路地裏に走っていった。
自分のプロフィールのプロパティを開いた。
(一応メモしておこう。今のプロフィール)
名前:ルビアス
年齢:5歳
身長:120cm
体重:25kg
005,120,025
もう文字列を見た瞬間どれがどれなのかが分かるようになってきていた。
018,220,070
「よし!こんなものかな」
(変更!)
突如、僕の視点が変わった。
さっきまで目の前に置かれていた木箱の上が見えなかったのに、今は木箱の上が見えるようになっていた。
「プロフィールオープン」
名前:ルビアス
年齢:18
身長:220cm
体重:70kg
(いい感じ!でも、ちょっとヒョロヒョロ?)
身長に関しては少し盛った。
僕の前世は150センチちょっとしかなくてコンプレックスだった。
なので、その身長を220センチまで伸ばした!
(これが220センチの世界かぁ……すごい。みんなが小さく見える)
テクテク。
「あだっ!」
歩いていると吊り看板に頭をぶつけた。
「ってて〜」
どうやらこの世界でも220はやり過ぎたのかもしれない。
少し下げておこう。
そうして僕は190センチにした。
それでもかなり大きいみたいだけど。
「ふぅ……これから身長でマウント取られることないじゃん。変幻自在なんだから」
もうチビをバカにされることはなくなる。
またギルドの前に立った。
扉を開けてまたカウンターに向かう。
先程はつま先立ちしてやっとお姉さんの顔が見れるくらい背が高かったカウンター。
今はそれがお腹くらいの位置になっていた。
「すいませーん。冒険者登録したいんですけど」
「何処かで会いました?」
僕の顔を見てそう聞いてくるお姉さんに首を横に振る。
「やだなぁ、僕は知りませんよ(大嘘)」
「その声、さっきの?」
ギクッ。
1発でバレた。
「でも今の僕は18歳ですよ?」
「み、見た目はそうみたいですけど、確認を行います」
ゴトッ。
カウンターに水晶を出してきた。
「手を当ててください。あなたのプロフィールが読み取れますので」
ぴとっ。
手を当てる。
すげぇ、光った!
「年齢18。ルビアス様、ですね」
すごい。本当に情報を読み取れるらしいぞこの水晶。
スっ。
カウンターに紙を出してきた女性。
「こちらに記入をお願いします」
紙には既に入力されている項目もある。
(魔法適正なし、スキルは鑑定のみ……Eランクスタート、か)
魔法適正なしは分かるけどスキルなし?
僕のチートスキルはまだ宿っていない扱いなんだろうか?
まぁいいや。
スラスラスラッと。
「はい、書き終えたよ」
「ありがとうございます。こちらギルドカードです」
僕はギルドカードを受け取った。
「クエストの受け方などは分かりますか?」
「ラノベとか漫画とか読んでたからなんとなく分かります。分からなかったら聞きます」
「ラノベ?」
「こちらの話なのです」
そう答えて僕は女性にお礼を言ってクエストボードに向かう。
ランクごとにクエストは分けられていた。
(Sランククエストが受けてみたいなー)
下積み時代は下積み時代で経験してみたいけど、でも僕はド派手なバトルがしたい!
ゲーム的な話をするなら下位ランクから経験を積んで、やっとSランクってな風なんだろうけど。
(そんなのやってられるか!)
【鑑定】
ギルドカードにスキルを使うと案の定プロパティが開かれた。
ランク:E
ランクポイント:0
00,00,00,01
「余裕だな」
下2桁がランクを示す数字。
それより前が多分ランクポイント。
変更してみよう。
とりあえず9を連打でいいな。
ポチポチポチポチー。
そのとき
「あ、あのークエスト見たいんですけど」
「あ、ごめんなさい。占領しちゃってたね」
僕がどいたその時僕のスキルのキーボードに肘が当たってしまった。
カチッ。
999,999,99
Enter!
(あっ……)
ブゥン。
僕の手に持っていたギルドカードが更新された。
────────────────
│ランク:SSSSSSSSSSSSSSSSSSSS│SS
|ランクポイント:999999 │
────────────────
(枠はみ出てるぅ……)
そのとき。
プーップーップーッ!
警告音が鳴った。
僕のスキルでも鳴ったことはあるけど、今回は僕のスキルじゃない。
「速報!速報!冒険者ランキングが切り替わりました!」
聞こえてくる人の声。
ギルドカウンターの奥にぶら下がっていたモニターから流れているようだった。
そこには冒険者ランキングというものが表示されていて。
1位:サーシャ 68,523
2位:ウェル 35,653
といった感じで並んでいたが。
圏外から僕の名前がすっ飛んできた。
バーン!
派手な音が鳴って順位が確定!
1位:ルビアス 999,999
2位:サーシャ 68,523
3位:ウェル 35,653
更新されたのを見てた連中が騒ぎ出す。
「誰だ?ルビアスって」
「さぁ?いきなり圏外からすっ飛んできたぞ?」
「どうなってんだ?」
僕がいきなりモニター外からすっ飛んできたから相当驚いているらしいし、その連中の何人かがギルド側に問いただし始める。
「バグじゃねぇのか?これ」
「お、お調べします」
やってしまった……。
大きな騒ぎになってしまった!
ソローッ。
僕は面倒事になる前にギルドを抜け出そうとしたが
「おい、お前」
ビクゥッ。
誰かが口を開いていた。
僕に言ったのだろうか?
なんとなくそんな気がして声の聞こえた方を見ると。
「そうだよ。振り向いたお前だよ」
椅子に座っていた男が立ち上がると歩いてきた。
ずいっ。
僕の顔を覗き込んでくる。
「見ねぇ顔だよなぁ?お前」
「は、はひぃ……」
ダラダラダラ。
手から汗が流れ落ちる。
「お前さっき結構な時間クエストボードの前突っ立ってたけど何してた?」
「く、クエストを見てました」
「嘘つけよ。お前はクエストなんて見てない。どっか違う場所を見てただろ?」
ギクッ。バレていたようだ。
スキルウィンドウは他の人に見えていないはずだけど、僕の視線は他の人物にも丸見え。
「俺はウェル。このギルドの実力者として冒険者の顔は把握しているがお前は知らない。お前だろ?ルビアスって」
完全にバレてる!!!
「冒険者カードの不正な改変は当然許可されていない。分かってるよな?」
ところで、許可されてないって知らなかったって答えたら許してくれないかなぁ?
無理?
そうですか。
仕方ない。
この男の記憶を消そう。
ピクリと動かす右手。
「おっと?右手、動かすなよ?」
僕の右手に目を向けてくるウェル。
「怪しいヤツめ。それ以上何かすることは許さん。このような不正が許されればギルドの評価システムが疑われるからな」
そう言われ僕は聞く。
「僕に何をさせたいの?」
「そうイヤそうな顔するなよ」
そう言って肩をすくめるウェルは答えた。
「俺に実力を見せてくれよ。相応の実力がある。そうなれば俺はこれ以上何も言わんさ。自分の身分を示す上で一番大切なのはカードでもなんでもねぇ、己の力さ」
それを示せ、とこの人は言っているらしい。
ふむ、力を見せるのが一番話はこじれないかな?
「現在発令中のクエストがある。それを受けてこいよ。クリアできたのなら俺はお前を認めよう。勿論、ギルドにもこれからの対応について口添えしよう。悪いようにはせん」
そう言ってクエスト用紙を突き出してくる。
そこにはこうあった。
【Sランクダンジョンの攻略】
僕がそれを受け取ると
「あーあまた始まったなウェルの野郎のいびりが」
「潰されちまうなあのガキ」
と、不穏な会話がボソボソと聞こえてきた。
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