トラックにぶつかりそうだった女子高生を助けたニートの僕、女神に棒を渡され好きに使えと言われたので【ニート】を【チート】に変えました~チートスキルでやりたい放題の異世界生活を満喫します!
第6話 勇気を出してステータスをいじってみる
第6話 勇気を出してステータスをいじってみる
「いえ、お父様。私とルビアス様ですわ」
「リエル、お前が、か?」
「はい。私とて日頃から努力はしております。それで、二人で手を合わせて倒した、というところです」
「子供二人で倒した、か。どうにも信じられない話だが、ルビアスくんの刀がそれを示しているよな」
どうやらリエルは助け舟を出してくれたようだ。
この盗賊たち数人を相手に僕一人が倒した、となると話がこじれる可能性があったから僕としてもありがたかった。
「だ、だが。それでも二人でこの盗賊を相手に……というのは」
公爵が言ったその時だった。
「公爵様。ご令嬢の才能が飛び抜けていた、ということでしょう」
エイルーンの声だった。
軽く自己紹介をしてから公爵に説明していく彼女。
「ルビアス様にはまだまだ戦闘というものを教えていません。ですので、リエル様がほぼ一人で倒した。という形かと思われます。ご令嬢の成長スピードには驚かされますね」
「そ、そうなのだろうか」
釈然としない様子の公爵だったが、やがて納得したのか父上に家に連れられていく。
そうしながら
「家の修繕をすることだな、ルビアスくんに助けられたな?彼がいなかったらどうなっていたことか」
と父上は責められていた。
まぁ、これに関しては仕方ないよな。
盗賊に入られたんだもん。
そんなことを思いながらエイルーンに目をやると
「ふぅ……これはチート、というスキルの効果ですか?」
「うん。そうなんだ」
「にわかには信じられませんが。こうなってしまえば信じる他ないのでしょうね」
とやっと信じてくれるらしいエイルーン。
それからリエルも改めて頭を下げてきた。
「助けてくださりありがとうございます。ルビアス様」
「こっちこそだよ。あのまま公爵に突っ込まれたら面倒事になっていたかもしれない」
クスッと笑うリエル。
「決めました。私はあなたと婚約したいと思います」
「え?」
自分が持っていたハンカチで僕の体に着いた血を拭いてくれるリエル。
「だから、あなたも私の事好きになってくれると嬉しいです」
そう言って恥ずかしそうに家の中に歩いていくリエル。
それを見てエイルーンに突っつかれた。
「さすがはルビアス様ですね」
「う、う〜ん?」
なにがさすがなんだろう?
◇
布団に潜り込んで考えていた。
「今日は攻撃をもらわなかったけど、このまま続くって限らないしなぁ」
布団から出て僕は自分のステータスを開いた。
今日は武器の性能に助けられたと思う。
でも次はそうなりたくない。
自分の力で勝てるといいなって思う。
名前:ルビアス
レベル:1
攻撃力:3
防御力:2
スキル:チート、鑑定
僕は昨日と同じように自分のステータスのプロパティを開く。
「よし。開いたぞ!」
ドキドキ。
自分のステータスをいじるなんて初めてだ。
それに失敗すればどうなるか分からない。
慎重に、やろう。
「えーっと」
0001,0003,0002
「これ、かな?」
それっぽい数字を見かけた。
「いきなり数字を大きくするのは怖いな。ちょっとだけにしておこう」
0001を0002に変更してみる。
エンターを押して反映する。
ドキドキ。
どうなったかなぁ?
「す、ステータスオープン」
名前:ルビアス
レベル:2
攻撃力:3
防御力:2
スキル:チート、鑑定
「や、やった!レベルが上がってるぞ!」
ちゃんと自分のステータスでもレベルが上がっていることを確認した。
その後、僕は適当に検証をしてみた、その結果。
「間違いない。この数字たちが、僕のステータスの数字なんだ」
僕の見つけた座標の数字が僕のステータスの数字であることを確定。
あとは、僕の自由に変更するだけ。
「うしししし」
慣れたものである。
「レベルは255攻撃力も255防御力も255にしておこう」
数字を変更してエンターを押す!
「わぁぁぁぁ!!変わった!!!」
名前:ルビアス
レベル:255
攻撃力:255
防御力:255
スキル:チート、鑑定
「わーいわーい!ステータスが変わったぞ!」
レベルが3桁を超える人間はあまりいないという話を聞いたことがある。
僕はエイルーンの顔を思い出して笑う。
「うしし、見せつけてやろう。わっと驚かせてやるんだ。あーはっはっはっは」
自分のスキルがぶっ壊れていることで高らかに笑ってしまったそのとき。
コンコン。
扉をノックされた。
(げっ。父上か?)
ガチャっと扉が開いてそこにいたのはやはり父上。
「騒ぎおって、何時だと思っているの……」
言葉は続かなかった。
その視線は僕ではなく、僕の先にあるものに目をやっていた。
僕は慌ててそれを隠すように慌てて移動した。
「わわわわっ!な、何もありませんから!何もありませんから?!」
「な、なんなのだ?今のステータスは?見間違いか?」
ズカズカ部屋に入ってきて僕をどかそうとする父上。
「わーわーわー!」
ドン!
僕は焦って父上を突き飛ばしてしまった。
だが、子供の力。
大したことにはならないだろう。
と思ったところ、
「おごぉっ?!」
ピューン。
凄まじい速度で父上が壁まで吹っ飛んで行った。
「な、なんの!【クッション】」
しかし父上はその速度に反応して壁にぶつかる直前で自分と壁の間に空気のクッションを作って衝撃を吸収させる。
「ほっ……」
胸を撫で下ろす。
あぶないあぶない。
あのまま衝突していれば壁に穴が開いたかも。
僕は勝手に安心していたが
「ルビアスゥ?」
(はっ)
父上の声で安心するのが早いのに気付いた。
父上の意識がある、ということは僕のステータスに関してもう一度突っ込まれる、ということで。
「今の力。子供の力ではないな?ステータスを見せてみなさい」
「は、はい」
僕は渋々隠していたステータスのウィンドウから退いた。
夜中に騒いで勝手にスキルを使って勝手に自分を強化してしまったことを怒られる気がした。
(怒られるっ!)
ステータスからどいて俯いて目を閉じて拳を握りしめていた。
今から怒鳴られるから、そのための準備、だったのだが。
「な、なんとっ。レベル255?だと……?」
聞こえたのは罵声でも怒声でもなく、父上の驚愕したような声だった。
(え?)
怒られてると思っていた僕は顔を上げた。
顔を上げた僕の顔に映るのは父上の顔。
その顔は今まで見た中で一番の笑顔を浮かべていた。
僕には決して見せることのなかった顔。
兄上たちに見せるような顔。
「レベル255、どうやったのかは分からないがお前は素晴らしいぞルビアス!すごいぞ!さすが、私の息子だ!」
この瞬間、僕は人生で初めて父上に認められたのだった。
「それと、これだけレベルが高いなら学園でも相手なんていないだろうな。だが、努力はするんだぞ?」
(学園、かぁ)
そうだ、僕には学園に行くって夢があったんだ。
その夢のためにも僕は手を抜かない!
これから努力をして努力をする。
それからまた努力だ!
前世では失敗ばかりの人生だったけど、もう手は抜かない。
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