バレンタイン


バレンタインデー企画


*登場前のキャラも出てます。


「ふ~んふふ~ん♪ きょ~は素っ敵なバレンタイン~♪」

 鼻歌など歌いながら連盟の酒場へ足を運ぶ。 

 

 中へ入れば野郎ばかり。浮ついたようにそわそわしている奴もいれば、この世の恨み辛みを一心に背負った、亡者のような奴もいる。

 哀れなことだ……。アレでは早晩、悪性固体に落ちてしまうだろう。いっそのこと止めを刺してやった方が奴らのためかもしれん。

 まぁ、負け犬共のことなどどうでもいい。


「俺は時が来るまでゆっくりさせてもらおうか――」

適当な席に腰を下ろした時だった。

「よぉ~色男さんよぉ……。ずいぶんご機嫌な様子じゃぁねぇか? 俺にもその幸せを分けて貰いてぇな~?」

「そうだぜ~漣? あんまりこれ見よがしにウキウキされたんじゃ、俺たちの立つ瀬がねぇや……。困っちまうぜぇ?」

「おで……おまえ……ごろズっ!! オマエッ敵っ gyaaaaaa!!!!」

「へへへっ。おめぇさんがわりぃんだぜ? 穂乃香ちゃんはみんなのアイドルだろっ? 独り占めは良くねぇよなぁ? あぁん!?」

「お兄さんっ!! 静音さんとのお付き合いを認めてくださいっ!! 僕は真剣なんですっ!」

「なんかようてめぇ最近、志藤さんとも仲良くねぇかぁ? あぁん!?」

 

 なんかもう一人、落ちてる奴がいるな……。

 人の言葉を忘れるなよ……。

 モンスターになりきってるんじゃねぇよっ!! 馬鹿が――


「なんの用だ? ガス、タツ、みっちゃん、その他、有象無象共よ……。その物騒な武器を仕舞うことだ。今の俺は気分がいい、一度なら見逃してやる……。去れ亡者ども。だが――俺を兄と呼んだ貴様は駄目だ――。お前の未来は死だっ!」

「なんでですか!?シスコンなんです――」*氷漬け

 なんておぞましいことを口走るんだ小僧。思わずヤッちまったじゃねぇか。

「……言葉に気をつけたまえよ……。死期を早めるぞ。まぁ――もう聞こえてないか」

 まぁ、まずは一人。

 全員の顔を見回しがら無言で尋ねる。『どうする?』


「「「「「……上等だっ!! 訓練所に来いっ!! 吠え面かかせてやらぁっ !!! 」」」」」

「ふう~。悲しいことだ……。屍が増えるだけだと気づかんかっ!!」




 死屍累々の訓練所


「あぁ……悲しいなぁ。誰一人として、この身に刃を突き立てることができんとは……。ガス、タツ、みっちゃん。お前たちには期待していたんだがなぁ」 

「「「くそがぁ……」」」

「……全く――そもそも何を憤ることがある? 今日はバレンタインデー。皆で今日という日を祝福するべきでは?」

「っ! てめぇに!! 俺たちの気持ちが――」



「あっ! 漣にぃ居た。ナイスポンタ。よしよし」

「ヴォッフッ!!」

「Zzzz~ Zzzz~」*アオ爆睡中

「漣さん? こんなところにいたんですか……。探しましたよ?」

「ふむ……。友人達と鍛錬でもされていたのかしら?」

 

「えへへ~。そうなんだ~。みんなに稽古つけてあげてたの~。でへへ~」

「「「「「うぎぎぎぎぎぎぃ!!!!妬ましぃぃぃぃ!!」」」」」

 亡者どもの負の念がすごいな…。でもまぁ――



「「「「「「えっ俺たちの分もあるの?」」」」」」*亡者


「はいっ♪ 連盟の女性陣みんなで頑張ったんですよ~♪」

「ん。けっこう疲れた。お返し期待してる――百倍返しで」

「……あまりこういった事には不慣れですが……最善を尽くさせていただきました」


「「「「「「!? わ~い♪」」」」」」*人間


 義理のチョコで喜ぶもの、空しくなるもの。


「漣さん」

 穂乃香が俺の袖をちょいちょいと引っ張る。

「? どうかした? 」

 にんまりとほほ笑む小悪魔ほのか

「♪ 後でチョコ、食べさせてあげますね♪ 特別な方法で♡ Happy Valentine♪」

「……あぃ」

 

連盟廊下

「傑さん」

「んっ局長? なんか用でも――」

「Happy Valentine♪ 少し……恥ずかしいですね」

「……ありがとうございます……。お返し、期待してくれっ」

「はい♪」


某所

 「はい~瞬君♪ ハッピーバレンタイン~」

 「んんっ!? ありがとう雫さん! 凄い嬉しいよ。そっか~今日はバレンタインか……。すっかり忘れてた……。どうりでみんなそわそわしてるわけだな」

 「うふふ~。皆さんにも用意しましたけど、瞬君にあげたのは本命ですよ~。心を込めて作りました♡」

 「おっおう……。大事に食べさせてもらうよ」

 「はい~♪でも瞬君? お、か、え、し、期待してますよ? あんまり……待たせないでくださいね?」

 「……あぃ」



 本命からの贈り物に幸福を感じるもの。


 

「はいこれ。お母さんとお祖母ちゃんから」

「……さんきゅ」


 家族から恵まれるもの。


 貴方はどんなバレンタインを過ごしますか?









*後書き

 こういうのやってみたかった。よんでくださりありがとうございます。 

 ちなみに私は同居人に、アップルパイを振舞います。チョコで溢れてるんでなんとなくです。特別意味ないです。

 学生時代は、バレンタイン……小学校の時、貰ったのを覚えてます。嬉しかった。 

 中学、高校はなんもない。

 皆さんに素敵な思い出ができることをお祈りしています。

 Happy Valentine!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る