第29話 穂香視点

 こわい……こわいこわいこわいこわい……。

 気持ち悪い魔力の奥に何かを感じる……。

 何かがこっちを見てる。探してる。

「「「────♪♪♪」」」」


 粘りつくような笑い声が頭に響く……。

 逃げなきゃ。

「「「────た♪♪♪」」」」


 声がどんどん近づいてくる。

 隠れなきゃ……。

「「「────けた♪♪♪」」」」


 大きな影が私を────

「穂乃香──」

 こわいのがきえた?

 かれがわたしをよんでる?

「穂乃香────」

 あぁ……わたしのだいすきなこえ。

 れんさん。

 あめにぬれていつもよりつめたい かれのて。

 ここちがいい。いかないでほしい……。

 ずっとわたしのそばにいてほしい。でも────


「オレのカッコいいとこ 見ててくれ。」

 ……わかった。

 だからすぐにわたしのところにかえってきて?

 約束だよ?



「でけぇち〇こぶらさげて、見せびらかしてんじゃねぇよカスっ!!!!!」

「そんな卑猥なもん表に出しとくもんじゃねぇだろ。穂乃香が怖がっちまうだろうがよぉ。」

「はははっはははははhっは!!!! そんななりして、〇んこ切り落とされて切れんのかよwwww。どのみち使い道なんかねぇだろw!」


 いつものやさしいかれのこえじゃない。

 はじめてきくあらあらしい、おこったかれのこえ。

 どうもうにわらうかれのかお。きばをむきだしにしてほえるさまは、まるでどらごんみたい。

 ちょっぴりおげひんだけど。ふかいなかんじはしない……。

 ふふふっ。いつもはわたしがくっつくと、すぐにおどおどしちゃうのに──

 いまはあんなにいさましい。



「おいおいっ斬撃だけじゃねぇぞ? ほらっ上にも注意だぞ? まぁ、凌ぎようがねぇだろうがなっ! オラッ! いい声で啼いてくれやっ!!」

「おうおうおうっ!! ヤバくなったから逃げようってか!? させるわけねぇだろっ!! ミミズ野郎!! オラッ! 串刺しじゃボケっ!!」

「ははははっ!! そうだそうだ♪ がんばれ♥ がんばれ♥ まだまだオワランゾ?」

「おおっ魔力振り絞ったな!! 凄いぞっ!! でも、駄目だ許さん。そら、また頑張れよ」

「なんだなんだ? 体中からキモイ、ウネウネ出てきてるじゃあねぇか……きめぇなぁ。俺はっ! 集団恐怖症なんだよっ! 纏めて砕けろ」

「オラオラオラオラッ!!!! 威勢がいいのは最初だけかぁ!?」

「あぁっ!! なんか言ったかぁ!? 聞こえねぇぞっ!!オラッ!!!!」


 鼓動が早い。顔が熱い……。

 すごい……すごい! すごい!!

 かれがあっというまにたおしちゃったっ!!

 すごいっ! すごいっ!!

 やくそくまもってくれたっ! わたしのこと守ってくれた!!


 あぁ、ありがとう、漣さん。

 彼が傍にいてくれるなら大丈夫……。

 怖くない。あんなのに負けない……。

 私も頑張るんだ! 私だって彼を助けられようになるんだ!

 そのために頑張ってるんだからっ!!

 だからずっと一緒だよ♪ 漣さん!


 でもね、漣さん?

 優しいあなたも大好き。だけど────

 今度は私にも、あんな荒々しい感じで迫って欲しいなぁ。




*後書き

平仮名ばっかりで本当に申し訳ないです。

幼い感じにしたくて……。読みにくくしてゴメンね♪ えへへっ。


応援、☆、コメントいただけると最高にうれしいです。

よろしくです。ウネウネ~








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