幕間 息抜き プール2
≪長野ワクワク×ドキドキパラダイス≫
長野中央都市に一年前にできたという、新しめな大型プール施設で、入浴施設やサウナも併設されているらしい。ただネックなのが――名前がくそダセェ……。誰が考えたんだ? センスが死んでるな……。
契約モンスターなら一緒に入っても問題ないというのも売りの一つらしい。
*今は、人間に友好的なモンスターも多く、狩人連盟や魔術協会に属していないものでも多くの人がモンスターと契約を交わしている。
全く縁がないどころか、陽キャの巣窟のような気がして意識的に避けていた場所だ……。ワイワイ♪ キャッキャ♪ ウフフっ♡ な場所と聞く! 気を引き締めねば!! 生きて帰れんかもしれん……。
ふぅ~っ! 行くぞっ!!
ポンタの背に乗せてもらい二十分程で、かなりの賑わいを見せる
オレ以外の三人。穂乃香、ポンタ、アオは非常にリラックスして楽しそうにしている。アオは穂乃香に抱っこ状態だ。別に、だから何だというわけじゃないが……。やっぱり、ちょっと羨ましい。
施設に入ってみると、外で見るより中が広く感じ気温も心地良いもの調節されていた。高度な魔力技術の匂いを感じさせる作りに感心していると――穂乃香が俺の袖をぐいぐい、引っ張っている?
「漣さん!! あそこで水着のレンタルっ! 選べるそうです! 気に入ったら購入もできるみたいなんです!! 種類も豊富なんですって!!」
施設のパンフレットをもって、すごくいい笑顔ではしゃいでいる彼女に若干圧倒されながら返事をする。
「う、うん。行ってきていいよ。受付済ませとくから。終わったら俺も向かう――」
「はいっ!! 可愛い水着、選んできますね~~!」
言い切る前に、なかなかのスピードで突撃していった穂乃香嬢。
行ってらっしゃいませ……。
ポンタ、アオと一緒に受付の列に並ぶ。そこそこの時間をかけ説明や、契約モンスターの確認などを済ませ手続きを完了させる。
「ごゆっくりお楽しみください~⤴」
明るい接客挨拶に、「どもです。ウっスっ、あざますっ」とペコペコ頭を下げ、受付を後にする。
レンタルコーナーに行けば、穂乃香は従業員の女性と何やら相談しながら選んでいるよう様子。今のうちに自分の水着をちゃちゃっと選んでしまう。穂乃香の水着選びが終わるまで、近くのベンチでアオ、ポンタと戯れながら彼女を待つ。
女性の買い物が長いのは、母ちゃんと妹で慣れている。あれは、もう仕方ない、そういうもんなんだ。自然の摂理に近い。まぁ、ゆっくり待っていよう。
待っている間、ポンタとアオが子供に大人気。
子供連れの親御さんに何度、「すみま~せん。もしよろしければ触らせていただいても?」と言われたか分からん……。
幸い、ポンタの毛を毟ってしまうような子はいなかったが――アオのことを気に入り過ぎて「い゛やあ゛あ゛づれでぐぅ~~!!」と、泣き叫び、アオを潰す勢いで抱き締めて離さない子には焦った。アオも潰れて、「ぐぇ~~」ってなってたし……。
アレは――壮絶な光景だった……。
「「離しなさいっ!!!」」
引っ張る親御さん。かなり切れ気味。
「い゛やあ゛あ゛~!!!」
凄まじい力で抵抗するお子さん。
「……」
死んだ顔で、物理的に伸びるアオ……。
おろおろする、ポンタと俺。駆けつけてくる
「どぉ~しましたかぁ~⤴⤴」
最終的に、従業員さんがお子さんの注意を引いた隙に、アオが姿を消したことで決着となった。(アオはしばらく姿を消したままだった……)
そんなこともあり、待つのにも少々疲れ始めた頃――穂乃香が慌てた様子でやってくる。
「ごめんなさい!! わたしっ、選ぶのに夢中になっちゃって!!」
少し息を乱しながら謝罪を口にする彼女。
「大丈夫。二人がいたから退屈しなかったよ。なっ。……いろんな意味でだけど。じゃあ、プールにいこうか」
「ヴぉっふ」
「……うん」
憔悴気味のアオ。
「? はいっ!!」
穂乃香は少しだけ不思議そうな顔をした後に元気よく頷いた。
*後書き
次こそ水着です。肌色ですっ!
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