第6話 クラン加入希望者?

 ふくきょくちょうは、すごいひとだ!!

 なぜなら、ふくがつくけど、きょくちょうだから!

 きょくちょうはすごい!!


 でもぼくは、すごくない。

 ふくきょくちょうでも、きょくちょうでもないから……。

 だからぼくは、ふくきょくちょうのいうことにはさからえない。


 一か月前

「漣、お前クランつくれや。資格あんだろ?」


「……一応持ってますけど――無理っスよ。俺そういうの向いてないんで。へへっ。きままに────」


「いいから! やれっ」

「……はい」


回想終了。



 重厚なつくりの扉を四回ノックする。

「誰だぁ~。」

 扉越しのこもった声で返事がくる。


「日崎です。何か用事があると伺いまして――」

「おう~漣か! 入れ入れ!!」


 なにやら歓迎されてるみたいだが……。

 あんまりいい予感はしないなぁ。こわいな、こわいなっ……。

 ええぃ! ままよっ!! 男は度胸っ! いっきま~すっ!


「失礼します――」

 二重の意味で重い扉を開け、入室する。


「よぉ~漣――お疲れさん。聞いてるぜ、今日のワイバーンのやつ。災難だったなぁ~」

 副局長の藤堂傑とうどうすぐるが、労いの言葉をかけてくる。


「ウっす。たぶん脈龍につられただけだと思うっス。ただ、感知能力は異様に高かったように感じられたッス」

「派手な陽動で気を引けたんで、ばれないように奇襲かけて一撃必殺しようと思ったんすけど、直前でこっちに突っ込んできたっス」

 非常にわかりやすい説明を副局長にする。            


「っス、っス、やかましいわボケ!! 内容入ってこないだろうが!!!」

 おこられた……。洒落の分らんやつめ。

「うっす。やべっ」

 咄嗟に出ちまった!!!


 殴られた。あたまいたい……。


「まぁ、俺もお前と同じで脈龍につられただけだと思うよ。感知能力云々は気になるがな。だけどな――」

??

 珍しく、煮え切らない態度だな??


 少し困ったように藤堂さんが話す。

「局長が気になったらしいんだ……。あの人――協会畑の人だからよぉ。新種かもしれないって興奮しちゃってなぁ……」

 困ったよと、言わんばかりにため息をつく。


 成程、完全に把握。副局長のお仕事が増えるとみた。

 頑張れ! 頑張れ!!


 この人、局長に甘いからなぁ。まぁ、美人だから仕方ないね。 

 忙しい人だから、ちょっと不健康そうだけども。


 やべぇな、藤堂さん、からかっちまおうかな。すげぇからかいてぇ。からかったらどうなるかな??





タイプ1 成功時

「もう、傑ったら局長にぞっこんなんだから~。早く告っちゃえよぉ~~」

「でも、どんな告白すればいいか、わっかんねぇよオレ……」

「バッカ!!お前っ、んなもん決まってんだろ~がよ~!」

「壁ドゥーンだよ!!!」

「壁ドゥーンっ!!!」

「そう!壁ドゥーンしながら、こう囁くのさ~~~Stay by my side forever――」

「すげぇ!!天才だ!!! でも、なんで英語なんだ?」

「決まってんだろ! 日本人は英語に弱いのさ。あと、なんかイケテルだろ?」


タイプ1 失敗時

「もう、傑ったら局長にぞっこんなんだから~。早く告っちゃえよぉ~~」

「おう、いいてぇことはそれだけか?」

「えっ…じょうだ────」

 ぐちゃ………。

 You die。




 タイプ2 成功時


「傑、もう分かってんだろ?局長の気持ちに。ふぅ~、いったいいつまで待たせる気だ?」

「……。レン。でもオレは!!!」

「バッカヤッロォウ~~~~!!!!!」*ぶん殴る!!!

「アベシッ!!」

「局長はなぁ、待ってんだよ!!! お前のことをよぉ……」*背中向けながら

「レン……」

「いけヨ」*首で促す

「えっ?」

「彼女が待ってる」*振り向き破顔(クシャ)

「レン。オレ行くよっ!!」

「オウ。ちょうど迎えが来たぜ」*明後日の方向を向く(渋く!!)

「え?」

「ヴォッフ!!」*ポンタ、友情出演

「幸せにな……」

 完


 タイプ2 失敗時

「傑、もう分かってんだろ? 局長の気持ちに……。ふぅ~。いったい、いつまで待たせる気だ?」

「おう、いいてぇことはそれだけか?」

「軽いじょうだ────」

 ぐちゃ………。

 You die。



タイプ3 成功時

「傑、オレ局長に告白するゼ……」

「!?……そうか。頑張れよ……」

「……。ッハ!!!とんだ腰抜け野郎ダゼっ!!!」

「なにっ!!取り消せよ……、今のことばぁ!!!」*殴る

「ぐはっ!!っの野郎~~~!!」*殴り返す

「ヒデブっ!!お前がだれに告白しようが、オレには、関係ねぇっ!!」

「彼女が、OKシテクレタトシテモカッ?」

「!!!!それはっ」

「傑、もう逃げるのはやめろ……。聞かせてくれ、オレにお前の気持ちを!!」

「……。おれは、局長が好きだ!!!!」

「フッ。言えたじゃねぇかぁ――だとよぉ!!」


「傑さんっ!!」*局長、特別出演

「局長なんで? ッハ!! レン!! オマエ最初からそのつもりでっ」

「ッフ。なんのことか、わからねぇな――行くぞアオっ!!!」

「あれっ、ばれてた? へへっ。殴られたとこ、だいじょうぶ?」*アオ、友情出演

「最初からな――サンキュッ」

 完!!!


 タ イ プ3  失敗時

「傑、オレ局長に告白するゼ……」

「?? そうか頑張れよ――」

「……。ッハ!!!とんだ腰抜け野郎ダゼ!!!」

「……。ケンカ売ってんのならそう言え――」

「いや、じょうだ────」

 ぐちゃ………。

 You die。


 うん、やめとこう。まだ、しにたくない。



「??? まぁ、ワイバーンのことはうちでしっかり調べとく。なんか分かったら伝えるからよ~」

「承知しやした」

「よしっ。じゃぁ、この話はおわりだ。そして――本題だぁ♪」


 ん? 本題

 副局長が実にいい笑顔で伝えてくる――

「加入希望者が来てるぞ♪」

 

*後書き

読んでくださり、ありがとうございます。毎度書いているので、鬱陶しかったら申し訳ありません。ただ、本当にありがたいのです。


そして今回…。非常に筆がワル乗りました…。ただ、少しでもクスってなっていただけたなら幸いです。




「おうえんよろしくおねがいします。」

(頭からっぽ漣より)

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