第三巻 東亰爆心地編

神話 クレリアの詩 アストリアの独白

   ダークロード・カイナスと光の巫女ウルルの伝説



 狂戦士バーサーカーから黒騎士ブラックナイト、そして暗黒の君主ダークロードへとクラスチェンジしたカイナスは世界への復讐をはじめた。


 捕虜となった光の巫女ウルルは死を覚悟したが、カイナスは彼女を庇護し神殿へ帰した。


 カイナスもウルルもお互いに恋心を抱いていた。

 神殿での戦いで聖騎士の内六人がカイナスによって倒された。


 だが、カイナスはウルルひとりのために世界の破壊者になることをやめた。

 ウルルはカイナスと逃避行をはじめた。


 人々はカイナスの罪も、ウルルの裏切りも許そうとしなかった。


 追い詰められたカイナスとウルルは雪山で一夜限りの契りを交わしたという。

 ふたりの魂は鏡の野を経て冥界へ旅立つ。


 ふたりを哀れに思った癒しの女神イシュメリアは彼らの魂を天上に招きいれた。

 ふたりは天空の空中庭園で夫婦となった。


 カイナスとウルルの遺体は氷づけになり世界を見守っているという。



  大陸に伝わる神話より




  クレリアの詩


 わたしに微笑んでくれる貴方の背中はいつも寂しそう

 そのことを問い詰めたくなるのを必死に我慢する

 あの女性のことがまだ忘れられないの?


 その言葉を飲み込んでわたしは最高の笑顔で話しかけるの

 わたしは良い女だから


 わたしたちふたりは仮面をつけてお互いに接しているのかもしれない

 この旅は仮面舞踏会

 タイトルは『世界を救う旅』

 なんてね


 アゼルがいなくなっちゃったら

 わたしにはあなただけなんだよ?

 ほかのメスにしっぽを振っちゃダメ

 優しい大型犬サイコーだな


 でもね、傭兵さん

 貴方はわたしのことを天使だと思ってるでしょうけど……


 悪魔は天使の仮面をつけているんだよ?

 気をつけて

 クレリア・リンリクスという『魔女』に




  アストリアの独白


 暗黒傭兵部隊不死鬼メンバーは全員地獄に行く


 無論このオレもだ


 クレリア……

 もっとはやくおまえに出会えていればオレは……!

 それももういい


 クレリアに出会うまえに死んでいたら

 地獄の最下層に堕ちていた

 クレリアに出会うことができたいまなら

 少なくとも生まれ変わることぐらいは許されるかもしれない


 クレリア

 最後まで守ってみせる

 オレのいのちを使っても



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