【チャーミー接近72時間前】

時は、9月27日の昼過ぎであった。


この時、志桜里しおりは松山市の(国立)四国がんセンターに戻って検査を受けていた。


神谷こうのたにの家は、サイアクの事態におちいった。


家から除籍カンドーされたあつこは、衣服と身体がボロボロの状態で豪邸いえの近辺にやって来た。


この時、あつこはよろけながら歩いていた。


あかむらさき色にそまっているほほは、ブクブクに腫れていた。


なかの村ほぼ顔は両方のほほが赤村ブクブクに腫れていた。


口からは、よだれが大量に出ていた。


目は、ものすごくするどい目つきになっていた。


「おーとーこ…おーとーこ…おーとーこ…」


あつこは、不気味な声で『おーとーこ…』と言いながらフラフラと歩いていた。


それから40分後に、あつこは豪邸ここへ戻って来た。


あつこは、フラフラとした足取りで豪邸いえに入った。


この時、豪邸いえの大広間にはトメとかおると家政婦紹介所しょうかいじょの所長さんの3人がいてなんらかの話し合いをしていた。


そこへあつこが戻って来た。


「おーとーこ…おーとーこ…」


ボロボロの姿のあつこは、フラフラとした足取りで大広間に入った。


それを見たかおるは、叫び声をあげた。


「あつこ…あつこ!!なんでここに帰ってきたのよ!!」


あつこは、ものすごく怒った声でかおるに言うた。


「はぐいたらしいわね!!おとこ!!おとこ!!」


かおるは、あつこにものをぶつけながら怒鳴った。


「出ていきなさい!!出ていきなさい!!」


ブチ切れたあつこは、ワーッと叫び声をあげながらダイニングキッチンへ向かった。


あつこは、ダイニングキッチンの戸棚からチタン製の出刃包丁ほうちょうを取り出したあとワーワーと叫びながらかおるに襲いかかった。


「やめて!!イヤ!!やめて!!」


危険を感じたかおるは、あつこに対してかたい棒であつこを殴りつけた。


(ドサッ!!)


かおるから攻撃を受けたあつこは、その場に倒れた。


ブチ切れたかおるは、かたい棒であつこの身体をしつように殴りつけた。


この時、所長さんは必死になってかおるを止めた。


「おかあさま!!やめてください!!」

「止めないで!!あつこはこの家の子どもじゃないのに勝手に帰ってきたのよ!!」

「やめてください!!」

「離して!!」

「やめなさい!!」


ブチ切れた所長さんは、かおるの顔を平手打ちで5〜6回叩いてしずめたあと、し烈な声でかおるを怒鳴りつけた。


「奥さま!!いいかげんにしてください!!なんで自分のお子さまに対して暴力をふるうのですか!?」


所長さんから怒鳴られたかおるは、メソメソメソメソと泣いた。


その時であった。


ボロボロの姿のあつこは、再び起き上がったあと外へ出ていった。


「あつこさん!!」


所長さんは、あつこに待ってと叫んだ。


しかし、あつこはわけの分からないことを言いながら再び外へ飛び出した。


豪邸いえの近辺にて…


(ガシャーン!!ガシャーン!!ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!)


ブチ切れたあつこは、わけの分からないことを言いながら暴れ回った。


あつこは、よその家の窓ガラスを割るなど…よその家に危害を加えた。


それから40分後であった。


「待てコラ!!」


あつこの被害を受けた家の住民の男性3人があつこを追いかけた。


あつこは、大型病院の近くにある橋で3人の男性に捕まった。


「よくも家を壊したな!!」

「やっつけてやる!!」


思い切りブチ切れた3人の男性は、あつこを橋から突き落とそうとした。


そこへ、かおるが叫び声をあげながら走って来た。


「やめて!!殺さないで!!殺さないで!!」


しかし…


(ドボーン!!ブクブク!!)


あつこは、住民の男性3人に橋から突き落とされて殺された。


川に落ちたあつこは、そのまま海へ向かって流された。


「あつこ!!あつこ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


かおるは、よりし烈な声で泣き叫んだ。


この時、3人の男性はすでにその場から立ち去った。


あつこごめんね…


ごめんねあつこ…


健ちゃんばかりをえこひいきしてごめんなさい…


……


なんであつこが死ななきゃならないのよ…


ひどい…


あんまりだわ!!


あつこを返して…


あつこを返して…


あつこを返して!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る