【岐路に立たされた志桜里】
(ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ…)
時は、9月3日の朝9時半頃であった。
この日も、予想最高気温は35度を超えると報じられた。
日本の南の海上で発生した台風21号がまき散らした暖かく湿った空気が西日本に次々と流れ込んでいた関係で猛暑になっていた…
その中で、
この時、かおるが庭にいる
「
「あっ、はい。」
「(家政婦)紹介所の所長さまがお越しですよ。」
「あっ、行きます。」
ところ変わって、大広間にて…
この時、
「終了…
所長さんは、心苦しい声で
「
「なんで9月いっぱいで終了になるのですか!?」
所長さんは、ものすごく困った声で
「雇い主の奥さまが要介護度4と診断されたので、周囲の助けがないと生きていけないのよ…そのことは、聞いているよね。」
「はい、聞いてます。」
「他にも、この家のご家族の都合が悪くなったのよ…それも聞いているよね。」
「はい、聞いてます。」
所長さんは、
「
「所長、お願いです…他に家政婦さんが必要な
所長さんは、ものすごく困った声で
「
「そんな…困ります!!」
所長さんは、ものすごく困った声で
「
「
所長さんは、ものすごく泣きそうな声で
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「なんでごめんなさいと言うのよ!!…なんでうちがクビにならなきゃいけないのよ!!うちは、不平不満をひとことも言わずにここでモクモクと働いて来たのよ!!」
所長さんは、泣きそうな声で
「
「だからうちはもういらないと言うのですね…分かりました。」
所長さんは、
その時であった。
トメが一枚の紙切れを持って大広間にやって来た。
トメはかおるに一枚の紙切れを渡そうとしたので、かおるはトメに声をかけた。
「
「
トメから
「
「あっ、はい…」
九ガツ七ニチ二ムカエニイク…
エンダンヲイレタ…
シオリ、イママデイロイロトツラカッタヨネ…
オトーサントオカーサントオニイサンフウフタチゼンインデソチラニイク…
六ニチマデニジュンビヲシテオケ…
「所長。」
「どうしたの?」
「うち…話のつづきを聞きたくありません…」
「どうして?」
「うち…
トメは、さびしげな声で『北海道へ帰るのね。』と
「ええ…実家の両親は…うちに幸せになってほしいから…家政婦やめて専業主婦になれと言うてます。」
トメは『それだったらしゃーないわね…』と言うた。
かおるは、つらい声で
「実家の
「はい…すみませんけど、すぐに部屋の整理に入ります…6日までに完了させたいので…」
「(所長さん)分かったわ…それなら、部屋の整理を始めてね。」
このあと、
部屋の中にある家具類は、家のものである。
部屋の整理は、3日のうちに終了した。
それから6日までの間は、いつも通りに家政婦のお仕事に取り組む予定である。
(ゴーッ!!)
9月4日頃であった。
台風21号が西日本に接近した。
台風の中心は、室戸岬付近から淡路島〜阪神地域から近畿北部を通って若狭湾へ抜けた。
その後、佐渡ヶ島沖から北日本の日本海側を通って北上した。
台風の被害は、大阪府と兵庫県南部を中心に発生した。
台風が接近した時、
しかし、7月の西日本豪雨の時からチクセキされた雨水が原因で地盤のゆるみがさらに加速していたのできわめて危険な状態にあった。
この時、
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