【ゴゼンサマ】

時は、夕方5時過ぎであった。


またところ変わって、今治市宅間しないたくまにある溶剤会社にて…


(キンコンカンコン…)


館内に終業を告げるチャイムが鳴った。


昭久あきひさがいる個室にて…


仕事を終えた昭久あきひさは、帰宅準備をしていた。


その時、重役事務の女性が昭久あきひさに声をかけた。


「専務、吉永常務じょうむがお越しです。」

「(おどろいた声で)えっ?吉永常務じょうむがなんで?」


このあと、昭久あきひさの上司にあたる常務じょうむの吉永がやって来た。


吉永は、ヘラヘラした表情で昭久あきひさに言うた。


神谷こうのたにくん、急にここへ来てすまなんだのぅ〜」

吉永常務じょうむ。」

神谷こうのたにくん、このあとの予定はあいてるかなぁ〜」


このあとの予定はあいてるかなぁ〜って…


このあとの予定は、帰宅して家で晩ごはんを食べる予定だけど…


昭久あきひさは、ものすごくコンワクした表情を浮かべながらつぶやいた。


吉永は、ヘラヘラした表情で昭久あきひさに言うた。


神谷こうのたにくん、もし予定がないのであればワシと一緒に晩ごはんを食べに行こや。」

「(コンワクした表情で)晩ごはんを食べに行こうって…」


コンワクした表情を浮かべている昭久あきひさに対して、吉永はウキウキした表情で言うた。


「きょうは、神谷こうのたにくんに紹介したい人がいるんだよ…先方さまは、神谷こうのたにくんにぜひお会いしたいと言うてるんだよ…」

「(コンワクした表情で)紹介したい人って、どなたさまでしょうか?」

「(困った声で)どなたさまでしょうか…って…神谷こうのたにくんの人生を変えてくれる運命の人なんだよぅ…(両手を合わせながら頼む)…ごはん食べるだけでもいいから一緒に行こや…いい?」


吉永は、両手を合わせながらヘラヘラした表情で昭久あきひさに頼んだ。


オレの人生が変わる運命の人の意味が分からん…


吉永常務じょうむは、オレになにを希望のぞんでいるのだ…


まっすぐ家に帰って、家族そろって晩ごはんが食べたいオレの気持ちなんかどーでもいいんだな…


常務ボケジジイ!!


昭久あきひさは、ものすごく怒った表情でつぶやいた。


ところ変わって、今治市宮下町しないみやしたちょうにある豪邸いえの大広間にて…


家には、トメと志桜里しおりがいた。


志桜里しおりは、ダイニングキッチンで食を作る準備をしていた。


トメは、電話の応対をしていた。


電話は、昭久あきひさからかかっていた。


トメは、受話器ごしにいる昭久あきひさに対して怒鳴りつけた。


「あんたええかげんにしいよ!!きょうは志桜里しおりさんが回鍋肉ホイコーローを作るからまっすぐ家に帰って来なさいと言うたでしょ!!…なにいよんであんたは!!…常務うえのひと昭久あきひさに紹介したい人がいるから…そなな作り話は信用できん!!…常務うえのひとは、単にあんたと一緒にキャバレーへ行きたいといよるだけよ!!…あんたそななことよりも、私立高校メートクからさっき電話が来たわよ!!あつことてつやが学校に来たのに勝手に出ていったのでどうしたのですかって…明日の午前中に話がしたいから(北日吉町にある)本校に来てください…と呼び出しが来たわよ!!…なんでおかーさんが行くのよ!!親であるあんたとかおるさんが行くんでしょ!!…昭久あきひさ!!あんたね、いっぺん自分の顔を鏡に写して御かおをよぉーに見たらァ!?…知らないうちに家族を置き去りにしていたことに気が付きなさい!!…あつことてつやがコーコーに行かなくなった原因は、全部昭久あきひさにあるのよ!!…あつことてつやが元気な顔でコーコーに通う姿が見たい…あつこがブラスバンドでクラリネットを吹いている姿が見たい…あんたはしょぼいわよ!!…あつことてつやは、そななしょぼいあんたを冷めた目で見ているわよ!!…あつこは32、てつやは30よ!!…あつこは14年、てつやは13年に渡って、私立高校メートクに籍を置いたままで放置されているのよ!!…なんで働きながら学べる定時制か通信制に変えないのよ…あつことてつやを社会経験が極力とぼしい子供にさせたのは全部あんたにあるのよ!!…おんまくはぐいたらしいクソね!!…もういいわよ!!あんたと言い嫁と言い、死んだおとーさんと言い、なんでうちの家族はムカンシンな人間が多いのかしら!!あんたのおじいちゃんも家族第一主義と言うておいて、家族をないがしろにした!!…人に対してホイホイカネを貸す!!人からめんどいことを頼まれた時にホイホイ引き受ける!!…あんたのおじいちゃん・ひいおじいちゃん…神谷こうのたにの家の祖先は、なんでこないにドアホばかりかしら…あんたの悪い性格は、おじいちゃんたちに似ていることに気がつきなさい!!…ドアホ!!ドアホ!!ドアホ!!」


(ガシャーン!!)


トメは、受話器越しにいる昭久あきひさに対してし烈な声でボロクソに怒鳴りつけたあとガシャーンと電話を切った。


その後、ダイニングキッチンにいる志桜里しおりに対して怒鳴りつけた。


「ちょっと志桜里しおりさん!!」

「はい?」

「きょうは晩ごはんを作らないでください!!」

「えっ?どうしてですか?」

昭久あきひさが常務《うえのひとからキャバレーへ行くと言うたからよ!!」

「だったら、お嫁さんとお孫さんの分をお作りします…」

「かおるさんもパート先の人にさそわれてホストクラブへ行くといよったワ!!あつことてつやは行方不明になったみたいよ…(ひと間隔あけて)…それよりも、竜史たつしさんの方はどないなってるの?」

竜史たつしさんは、(おちいまの)本部の主催で新入りさんの歓迎会に出席するから帰りは遅くなると言うてました。」

「そう…分かったわ…ほんなら、シゲマツ(飯店)に電話して、焼豚玉子飯やきぶたたまごめしを頼んで…」

「分かりました。」


このあと、志桜里しおりはラーメン屋に電話して焼豚玉子飯やきぶたたまごめしの出前を頼んだ。


この時、かおるはパート仲間たちと一緒に松山市にあるホストクラブへ行くために遠出していた。


あつことてつやは、勝手に学校から出たあとどこかへ行ったままであった。


時は、深夜11時過ぎであった。


またところ変わって、松山市二番町にあるホストクラブにて…


かおるは、夕方4時頃にパートを終えたあとパート仲間たちと一緒にホストクラブをハシゴしていた。


かおるたちは、個々のオキニのイケメンホストくんをはべらせながら酒をのんで過ごしていた。


このあとも、かおるたちは松山市内にあるホストクラブ20軒をはしごした。


またところ変わって、二番町の別の場所にあるテナントビルのエントランスホールにて…


エントランスホールに昭久あきひさと吉永と極上のおとくいさまとおとくいさまの付き人さんたち30人がいた。


極上のおとくいさまは、顔にあか口紅リップが5つついていた。


…にもかかわらず、いやたい(下品な)表情で『いや〜、満足満足〜』と言うたあと、吉永に対して『道後温泉街どうごへ行きたい〜』と言うて要求した。


「いや〜満足満足〜…なあ、吉永さん…次は…道後温泉どうごのマキシム(ソープランド)へ行きたいけど、いい?」


昭久あきひさは、ものすごくうんざりした表情を浮かべていた。


昭久あきひさのそばにいる吉永は、ものすごく困った声で言うた。


神谷こうのたにくん!!」

「なんでしょうか?」

「なんでしょうかじゃあらへんねん!!(極上のおとくいさま)が道後温泉どうごへ行くといよんぞ!!」

「(ものすごくつらい表情で言う)道後温泉どうご?」


吉永は、ものすごくあつかましい声で昭久あきひさに言うた。


「きょうは、きみのために松山ここへ来たんだぞ!!」

「はっ?」

「(極上のおとくいさま)はきみを幸せにしてあげたいといよんぞ!!…(極上のおとくいさま)は、きみを(極上のおとくいさまが経営している会社)で(一番待遇がいい)役職に起用したいといよんぞ!!…四国溶剤ヨーザイ定年退職おわらせることはもったいないといよんぞ!!…(一番待遇がいい)役職につきたいのであれば、最後まで付き合え!!」


吉永は、昭久あきひさに対して怒ったあと極上のおとくいさまに対して『それではまいりましょうか…』とほほえみで言うた。


このあと、一行は道後温泉街どうごへ向かった。


ところ変わって、道後温泉街どうごにあるソープランドのロビーにて…


昭久あきひさは、極上のおとくいさまの言いなりになってソープサービスを受けることになった。


昭久あきひさは、超まじめな性格なのでソープサービスを受ける気はなかったが、吉永が『行きなさい!!』と言うたのでしかたなく行った…と言うことである。


一行は、日付けが変わって4月10日の深夜3時過ぎまで極上のおとくいさまのわがままにつきあった。


時は、4月10日の明け方5時40分頃であった。


またところ変わって、今治市宮下町しないみやしたちょうにある豪邸いえの大広間にて…


テーブルの上には、ごはんを盛り付ける茶わんがふせられた状態で置かれていた。


そのまわりに、おつけものやつくだ煮などのおかずが盛られている食器と白だしが入っている白のきゅうすが並んでいた。


ダイニングテーブルのイスに、トメが座っていた。


その端に、ものすごくつらい表情を浮かべている志桜里しおりがいた。


竜史たつしは、この時寝室で寝ていた。


かおるとあつことてつやは、まだ帰宅していなかった。


明け方5時50分頃であった。


昭久あきひさがものすごくつかれた表情で帰宅した。


大急ぎで玄関にやって来た志桜里しおりは、ものすごくおたついた声で昭久あきひさに言うた。


昭久あきひささん!!こんな遅い時間までどちらに行かれていたのですか!?」

「オレは会社の人と一緒にごはんを食べに行ったのだよ〜」

昭久あきひささん!!奥さまがカンカンに怒っていましたよ!!」

「やかましいだまれ!!」


志桜里しおりから厳しく言われた昭久あきひさは。志桜里しおりを怒鳴りつけたあと大広間へ行った。


ところ変わって、大広間にて…


ダイニングテーブルのイスに座っていたトメは、つかれて帰って来た昭久あきひさに対して怒った声で言うた。


昭久あきひさ!!」

「なんだよぅ~」

「そこへ座りなさい!!」


トメから怒鳴られた昭久あきひさは、怒った口調で『分かった〜』と言いながらトメの向かいの席に座った。


トメは、ものすごく怒った声で昭久あきひさに言うた。


昭久あきひさ!!こなな遅い時間までどこへ行ってたのよ!!」


昭久あきひさは、怒った声でトメに言うた。


「だから、吉永常務じょうむがつきあえと言うたからしかたなくお供をしていただけだよ…」

「そなな作り話なんか信用できん!!」

「作り話じゃないんだよ!!」

「作り話しているじゃないのよ!!」

「かあさんは、オレにどうしろと言うんぞ!!」

「おかーさんは心細いから昭久あきひさに家にいてほしいのよ!!」


トメが昭久あきひさに対して『心細い…』と言うたので、昭久あきひさは怒鳴り声をあげた。


「心細い心細い心細い…とばかりいよるけん心細いと言うことに気がつけよ!!」


昭久あきひさから怒鳴られたトメは、つらい表情で昭久あきひさに言うた。


「なんでそないにおらぶねん…おかーさんは本当に心細いのよ…」

「心細いと言うのであれば、外へ出て仲間つくれよ!!…『心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い…』…とうさんの葬儀ソーシキの翌日からことあるごとにいよるじゃないか!!」

「あんたこそなんやねん!!家族のためだけに生きて行くとヤクソクしたのに、ものの数日で破るなんてサイテーよ!!あんたのムカンシンが原因であつことてつやがコーコーに行かなくなった…と言うこと学校まだ分からないみたいね!!」

「あつことてつやのことなんか知らんワ!!かおるのことも知らんワ!!」

昭久あきひさ!!」

「オレは、かおるとあつことてつやと一緒にいるのがイヤなんだよ!!…3人はオレの家族じゃねーんだよ!!…こんなことになるのであれば、かおると結婚するのじゃなかった!!ワーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


ブチ切れた昭久あきひさは、し烈な叫び声をあげながら暴れ回った。


またところ変わって、昭久あきひさの書斎にて…


ものすごくつらい表情を浮かべている昭久あきひさは、デスクについているスタンドの灯りをつけたあとデスクのイスにこしかけた。


その後、デスクの上に置かれているサントリーオールド(ウイスキー)のボトルのフタをあけた。


ストレートでウイスキーをごくごくとのんだあと、昭久あきひさは大きくため息をつきながらつぶやいた。


オレは…


なんであんなコモチ女(かおる)と結婚したのだ…


なんで…


なんでや…


昭久あきひさとかおるが結婚したのは、今から17年前の2001年の春ごろだった。


それまで、昭久あきひさは50過ぎまで独身であった。


ふたりが結婚した時、昭久あきひさは53歳、かおるは52歳であった。


あつこはこの時、中学を卒業したばかり、てつやは中1を終えたばかりであった。


あつことてつやの実父じつふは、29年前にヤクザに拳銃で撃たれて亡くなった。


母子3人は、それから約13年近くに渡って各地を放浪した。


今治市に来たのは、1997年頃だったと思う。


2001年3月中旬頃、あつこは進学する高校がないまま中学を卒業した。


同年3月24日に発生した芸予地震で母子3人が暮らしていたマンションが倒壊したので、母子3人は家をなくした。


その3日後に、昭久あきひさとかおるが結婚した。


吉永(常務)は、かおる母子を助けるために昭久あきひさとかおるの仲人を引き受けた。


あつことてつやは、吉永の知人の知人のそのまた知人にあたる短大メータンの教授のコネで私立高校メートクに入った。


(毎朝、昭久あきひさとかおるとあつことてつやの送り迎えをしている健一郎も、私立高校メートクにコネで入学した)


昭久あきひさは、あつことてつやが元気な顔でコーコーに通っている姿を見ることをはげみに仕事にとりくんでいた…


しかし、あつことてつやは昭久あきひさの夢をぶち壊した。


あつこが高校3年になった頃であった。


卒業後の進路をどうしようかと迷っていた時に、健一郎があつこに学生証を短大メータンにひもづけする手続きを取ってあげた…


しかし、あつこは健一郎が勝手に学生証を短大メータンにひもづけにしたので思い切り怒った…


その翌日から今までの間、ガッコーに行かなかった…


てつやも、健一郎が学生証を短大メータンにひもづけしたことを理由にガッコーへ行くのをやめた…


あつこはそれから14年、てつやはそれから13年に渡って私立高校メートクに籍を置いたままの状態がつづいた。


周囲まわりの同級生たちは、高校卒業〜大学などをへてそれぞれの場所で活躍をしていた。


しかし、あつことてつやは同級生たちに置いてゆかれた…


昭久あきひさは、あつことてつやが高校に行かないことに対して腹を立てていた。


いつになったらコーコーに行くのだ…


オレは、あつことてつやが元気な顔でコーコーに通っている姿を見ることがたったひとつの楽しみなんだよ…


あつこがブラスバンドでクラリネットを吹いている姿が見たい…


あつこがいるブラスバンド部が見たい…


それなのに…


なんでぇ…


イスに座っている昭久あきひさは、女々しい声で泣きながらつぶやいていた。


朝7時50分頃であった。


またところ変わって、今治市宅間しないたくまにある溶剤会社にて…


社屋の玄関前に、健一郎が運転しているラウムが停まった。


車の中にて…


運転している健一郎が心配げな声で昭久あきひさに聞いた。


「ダンナさま、奥さまとあつこちゃんとてつやさんはどうなされたのですか?」


昭久あきひさは、ものすごく怒った声で『知らん!!』と答えた。


健一郎は、心配げな声で昭久あきひさに言うた。


「知らないって?」

「かおるは、パート仲間たちとホストクラブに入り浸りになっている!!」

「そんな〜」

「かおるのことはどーでもいいから、あつことてつやにコーコーへ行けと言うとけ!!」

「ダンナさま〜」

「やかましい!!オドレもひとのコネを使って私立高校メートクに入ったことを忘れたのか!!」


昭久あきひさは、健一郎を怒鳴りつけたあと車から降りた。


健一郎は、ボーゼンとした表情で昭久あきひさの背中を見つめていた。


それから2時間後であった。


またところ変わって、今治市宮下町しないみやしたちょうにある豪邸いえにて…


あつこは、ぐちゃぐちゃに乱れた姿で帰宅した。


あつこが帰宅した時、大広間にはトメだけがいた。


大広間に置かれている80インチの東芝レグザ(液晶デジタルテレビ)の画面に、よしもと興業の専門チャンネル(ケーブルテレビ)が映っていた。


この時間は、花王名人劇場(1979年〜1990年にフジテレビ系で日曜日21時から放送されていた看板番組)の横山やすし西川きよしの独演会が放送されていた。


トメは、ソファで寝っ転がった状態でおせんべいをバリバリ食べながらテレビを見ていた。


ぐちゃぐちゃの姿のあつこは、浴室へ向かった。


浴室にて…


ぐちゃぐちゃの姿のあつこは、着ていた制服を脱いだ。


あつこの顔は、きたない泥の色に染まっていた。


顔についていたメイクが大きく崩れたことが原因で泥の色になった…と思う。


制服のブラウスがビリビリに破れていた…


チェックの柄のスカートがぐしゃぐしゃになっていた…


足元につけていた黒のストッキングが白のショーツごと脱がされて右足に引っかかっていた。


(ポタポタポタポタポタポタ…)


あつこのスカートの中から、大量の液体がもれだした。


同時に、チェックのスカートがびちょびちょに濡れた。


その後、あつこはぐちゃぐちゃになった制服と下着を脱いで全裸はだかになった。


ぐちゃぐちゃになった制服と下着は、もえるゴミの袋に入れた。


(ジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…)


全裸はだかのあつこは、シャワーを浴びていた。


泥の色に染まっていた顔は、メイク落とし(コスメクレンジング)と一緒に流れ落ちたあときれいになった。


しかし、あつこの心の奥底は今も傷ついたままであった。


今のあつこは、カレと結婚することしか頭にないので高校に行ける状態ではなかった。


てつやもまた、高校に行ける状態ではなかった。


その頃、てつやは友人が暮らしているアパートに滞在していた。


てつやは、市民の森で祐希ゆうきを殺した事件を犯した翌日から外へ出なくなった。


これにより、昭久あきひさのたったひとつの楽しみはあっけなくぶち壊れたようだ…


ここより、神谷こうのたに家の悲劇が本格的に始まった。

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