【ゴゼンサマ】
時は、夕方5時過ぎであった。
またところ変わって、
(キンコンカンコン…)
館内に終業を告げるチャイムが鳴った。
仕事を終えた
その時、重役事務の女性が
「専務、
「(おどろいた声で)えっ?
このあと、
吉永は、ヘラヘラした表情で
「
「
「
このあとの予定はあいてるかなぁ〜って…
このあとの予定は、帰宅して家で晩ごはんを食べる予定だけど…
吉永は、ヘラヘラした表情で
「
「(コンワクした表情で)晩ごはんを食べに行こうって…」
コンワクした表情を浮かべている
「きょうは、
「(コンワクした表情で)紹介したい人って、どなたさまでしょうか?」
「(困った声で)どなたさまでしょうか…って…
吉永は、両手を合わせながらヘラヘラした表情で
オレの人生が変わる運命の人の意味が分からん…
まっすぐ家に帰って、家族そろって晩ごはんが食べたいオレの気持ちなんかどーでもいいんだな…
ところ変わって、
家には、トメと
トメは、電話の応対をしていた。
電話は、
トメは、受話器ごしにいる
「あんたええかげんにしいよ!!きょうは
(ガシャーン!!)
トメは、受話器越しにいる
その後、ダイニングキッチンにいる
「ちょっと
「はい?」
「きょうは晩ごはんを作らないでください!!」
「えっ?どうしてですか?」
「
「だったら、お嫁さんとお孫さんの分をお作りします…」
「かおるさんもパート先の人にさそわれてホストクラブへ行くといよったワ!!あつことてつやは行方不明になったみたいよ…(ひと間隔あけて)…それよりも、
「
「そう…分かったわ…ほんなら、シゲマツ(飯店)に電話して、
「分かりました。」
このあと、
この時、かおるはパート仲間たちと一緒に松山市にあるホストクラブへ行くために遠出していた。
あつことてつやは、勝手に学校から出たあとどこかへ行ったままであった。
時は、深夜11時過ぎであった。
またところ変わって、松山市二番町にあるホストクラブにて…
かおるは、夕方4時頃にパートを終えたあとパート仲間たちと一緒にホストクラブをハシゴしていた。
かおるたちは、個々のオキニのイケメンホストくんをはべらせながら酒をのんで過ごしていた。
このあとも、かおるたちは松山市内にあるホストクラブ20軒をはしごした。
またところ変わって、二番町の別の場所にあるテナントビルのエントランスホールにて…
エントランスホールに
極上のおとくいさまは、顔に
…にもかかわらず、いやたい(下品な)表情で『いや〜、満足満足〜』と言うたあと、吉永に対して『
「いや〜満足満足〜…なあ、吉永さん…次は…
「
「なんでしょうか?」
「なんでしょうかじゃあらへんねん!!(極上のおとくいさま)が
「(ものすごくつらい表情で言う)
吉永は、ものすごくあつかましい声で
「きょうは、きみのために
「はっ?」
「(極上のおとくいさま)はきみを幸せにしてあげたいといよんぞ!!…(極上のおとくいさま)は、きみを(極上のおとくいさまが経営している会社)で(一番待遇がいい)役職に起用したいといよんぞ!!…
吉永は、
このあと、一行は
ところ変わって、
一行は、日付けが変わって4月10日の深夜3時過ぎまで極上のおとくいさまのわがままにつきあった。
時は、4月10日の明け方5時40分頃であった。
またところ変わって、
テーブルの上には、ごはんを盛り付ける茶わんがふせられた状態で置かれていた。
そのまわりに、おつけものやつくだ煮などのおかずが盛られている食器と白だしが入っている白のきゅうすが並んでいた。
ダイニングテーブルのイスに、トメが座っていた。
その端に、ものすごくつらい表情を浮かべている
かおるとあつことてつやは、まだ帰宅していなかった。
明け方5時50分頃であった。
大急ぎで玄関にやって来た
「
「オレは会社の人と一緒にごはんを食べに行ったのだよ〜」
「
「やかましいだまれ!!」
ところ変わって、大広間にて…
ダイニングテーブルのイスに座っていたトメは、つかれて帰って来た
「
「なんだよぅ~」
「そこへ座りなさい!!」
トメから怒鳴られた
トメは、ものすごく怒った声で
「
「だから、
「そなな作り話なんか信用できん!!」
「作り話じゃないんだよ!!」
「作り話しているじゃないのよ!!」
「かあさんは、オレにどうしろと言うんぞ!!」
「おかーさんは心細いから
トメが
「心細い心細い心細い…とばかりいよるけん心細いと言うことに気がつけよ!!」
「なんでそないにおらぶねん…おかーさんは本当に心細いのよ…」
「心細いと言うのであれば、外へ出て仲間つくれよ!!…『心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い心細い…』…とうさんの
「あんたこそなんやねん!!家族のためだけに生きて行くとヤクソクしたのに、ものの数日で破るなんてサイテーよ!!あんたのムカンシンが原因であつことてつやがコーコーに行かなくなった…と言うこと学校まだ分からないみたいね!!」
「あつことてつやのことなんか知らんワ!!かおるのことも知らんワ!!」
「
「オレは、かおるとあつことてつやと一緒にいるのがイヤなんだよ!!…3人はオレの家族じゃねーんだよ!!…こんなことになるのであれば、かおると結婚するのじゃなかった!!ワーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ブチ切れた
またところ変わって、
ものすごくつらい表情を浮かべている
その後、デスクの上に置かれているサントリーオールド(ウイスキー)のボトルのフタをあけた。
ストレートでウイスキーをごくごくとのんだあと、
オレは…
なんであんなコモチ女(かおる)と結婚したのだ…
なんで…
なんでや…
それまで、
ふたりが結婚した時、
あつこはこの時、中学を卒業したばかり、てつやは中1を終えたばかりであった。
あつことてつやの
母子3人は、それから約13年近くに渡って各地を放浪した。
今治市に来たのは、1997年頃だったと思う。
2001年3月中旬頃、あつこは進学する高校がないまま中学を卒業した。
同年3月24日に発生した芸予地震で母子3人が暮らしていたマンションが倒壊したので、母子3人は家をなくした。
その3日後に、
吉永(常務)は、かおる母子を助けるために
あつことてつやは、吉永の知人の知人のそのまた知人にあたる
(毎朝、
しかし、あつことてつやは
あつこが高校3年になった頃であった。
卒業後の進路をどうしようかと迷っていた時に、健一郎があつこに学生証を
しかし、あつこは健一郎が勝手に学生証を
その翌日から今までの間、ガッコーに行かなかった…
てつやも、健一郎が学生証を
あつこはそれから14年、てつやはそれから13年に渡って
しかし、あつことてつやは同級生たちに置いてゆかれた…
いつになったらコーコーに行くのだ…
オレは、あつことてつやが元気な顔でコーコーに通っている姿を見ることがたったひとつの楽しみなんだよ…
あつこがブラスバンドでクラリネットを吹いている姿が見たい…
あつこがいるブラスバンド部が見たい…
それなのに…
なんでぇ…
イスに座っている
朝7時50分頃であった。
またところ変わって、
社屋の玄関前に、健一郎が運転しているラウムが停まった。
車の中にて…
運転している健一郎が心配げな声で
「ダンナさま、奥さまとあつこちゃんとてつやさんはどうなされたのですか?」
健一郎は、心配げな声で
「知らないって?」
「かおるは、パート仲間たちとホストクラブに入り浸りになっている!!」
「そんな〜」
「かおるのことはどーでもいいから、あつことてつやにコーコーへ行けと言うとけ!!」
「ダンナさま〜」
「やかましい!!オドレもひとのコネを使って
健一郎は、ボーゼンとした表情で
それから2時間後であった。
またところ変わって、
あつこは、ぐちゃぐちゃに乱れた姿で帰宅した。
あつこが帰宅した時、大広間にはトメだけがいた。
大広間に置かれている80インチの東芝レグザ(液晶デジタルテレビ)の画面に、よしもと興業の専門チャンネル(ケーブルテレビ)が映っていた。
この時間は、花王名人劇場(1979年〜1990年にフジテレビ系で日曜日21時から放送されていた看板番組)の横山やすし西川きよしの独演会が放送されていた。
トメは、ソファで寝っ転がった状態でおせんべいをバリバリ食べながらテレビを見ていた。
ぐちゃぐちゃの姿のあつこは、浴室へ向かった。
浴室にて…
ぐちゃぐちゃの姿のあつこは、着ていた制服を脱いだ。
あつこの顔は、きたない泥の色に染まっていた。
顔についていたメイクが大きく崩れたことが原因で泥の色になった…と思う。
制服のブラウスがビリビリに破れていた…
チェックの柄のスカートがぐしゃぐしゃになっていた…
足元につけていた黒のストッキングが白のショーツごと脱がされて右足に引っかかっていた。
(ポタポタポタポタポタポタ…)
あつこのスカートの中から、大量の液体がもれだした。
同時に、チェックのスカートがびちょびちょに濡れた。
その後、あつこはぐちゃぐちゃになった制服と下着を脱いで
ぐちゃぐちゃになった制服と下着は、もえるゴミの袋に入れた。
(ジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…)
泥の色に染まっていた顔は、メイク落とし(コスメクレンジング)と一緒に流れ落ちたあときれいになった。
しかし、あつこの心の奥底は今も傷ついたままであった。
今のあつこは、カレと結婚することしか頭にないので高校に行ける状態ではなかった。
てつやもまた、高校に行ける状態ではなかった。
その頃、てつやは友人が暮らしているアパートに滞在していた。
てつやは、市民の森で
これにより、
ここより、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます