第7話 記念放送開始!しかし、その後、悲劇が・・

 真奈美のニコニコ放送は少しずつだが人気がでてきた。料理放送わりと需要があって、来場者数は安定して20人。常に2~3人くらいはコメントしてくれるようになった。人気といってもこの程度だが、いつもコメント0なので、コメントしてくれる人が少しだけいるだけでも放送していて楽しい。私は、休みの日の午前11時くらいから放送を開始して、いつも放送が終了後に次回の放送はいつか告知した。そのかいあって、毎回みてくれる人も出てきたのだった。コミュニティとフォロワーの数もいつのまにか10人になっていた。私は、10人になったので10人記念放送をすることにした。

 「みなさん。こんにちは。マナです。今日はコミュニティ10人を記念して、10人記念放送をします。」私はわりと私にしては、すらすらしゃべった。リアルで対面でしゃべるのでなければ、コミュ障の私でもこれくらいは、しゃべれるようになった。

 「わこつ」とか「初見」とか「こんにちは」とかのコメントが流れた。

 「10人で記念放送する人初めてみたw」というコメントもながれた。「なかなかいないよね。10人で記念放送する人w」私は笑いながらこたえた。コメントの返しも慣れたものだ。自分で思っているほど、的確にこたえられていないのかもしれないけど、だいぶうまく返事できるようになったなと自分では思っている。たまに「コメントの返し独特だな」とか「ちょっとずれてるな」みたいなコメントもあるので、もしかしたら、うまくこたえられていない時もけっこうあるのかもしれない。でも、わざとじゃないけど、ちょっとずれている方が逆に面白いから、良いのではないかと私は思った。

 「それで、記念放送は何をするの?」コメントで質問された。私はこたえた。「特に決めてないけど、何が良いかな?」私は適当に雑談しとけば良いかなと思っていたけど、そういうコメントがあったから、きいてみた。すると「顔出しに期待」、「顔みたい」というコメントがきた。「えええ!私の顔出しに需要あるの?」私はそう言うと「需要あるよ」と言われた。私は料理放送の時は手元だけうつして、顔はうつしていなかったのだ。私はブスで太っているので、とてもみんなにみせれる顔ではないから、今まで顔出しはしていなかった。でも、需要があるなら顔出しを思い切ってやってみようと思った。


 私は、めちゃくちゃ緊張しながらカメラを自分の顔にむけた。私の顔をうつした後、しばらくコメントが止まった。何の反応もない・・・。私は我慢しきれなくなって言った。「みんな何かコメントして・・・・」私は言った。すると「ぶっさ」、「コミュ抜けるわ」というコメントがながれた。やはり私の予想通りだった。調子に乗って、私は顔出しした事を後悔した。私は放送終了後、念のためにコミュニティの人数を確認すると、2人減って8人になっていた。「冗談じゃなくてマジで抜けてるじゃん!」私は少し涙が出たのだった。


(続く)

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