第6話 ニコニコ生放送 放送内容かえて再チャレンジ!

 真奈美は、ニコニコ生放送でゲーム実況してもほとんど誰も放送をみてくれなかったので、放送内容をかえてみる事にした。他の人の放送を参考にするために、いろいろみていたのだが、「40歳おっさんの男の料理放送」というのを見つけた。コミュニティの人数は300人くらいで、めっちゃ人気があるわけでもないが、そこそこ来場者数もいてコメントもわりとあった。あまり人気のある人の放送も自分とは違い過ぎてあまり参考にならないなと最近思っていたので、私はこの人の放送を参考にしてみることにした。

 40歳おっさんの放送が開始された。この人は毎日、昼の12時くらいから1時間~1時間30分くらい放送していた。「こんにちは。40歳おっさんの料理放送です。」

 放送が始まると、「わこつ」とか「おっさん、こんにちは」とかコメントがながれた。やはり、放送が始まってみんなが挨拶のコメントしてくれる放送は良いなと私は思った。早く自分の放送もこんなふうになったら良いなと思った。「午前中に郵便局行ってきて、この放送を楽しみに待っていたよ。」40歳おっさんの放送は放送時間もきっちり決まっているので、視聴者もみやすそうだ。私の放送も放送時間とかしっかり決めた方が良いなと思った。「いつも昼に放送しているけど、無職なんですか?w」というアンチコメントもいくつかあった。それに対して「夜勤で働いているっていつも言ってるだろ!」とコメントでかえしている人がいた。視聴者同士でコメントで会話する事もニコニコではよくある事だ。おっさんはそれに対して「勝手に人を無職扱いする人いるんだよな。俺は夜勤で働います。」と言っていた。基本的にこういうアンチコメントはスルーするかしつこいようだとユーザーをNG登録していたが、たまに説明のためにこのように言っていたのだった。料理ができると「おいしそう」とか「うまそう」というコメントがたくさん流れた。おっさんは美味しそうに作った料理食べながら、少し雑談をして、放送は終わった。


 私はこの放送をみて、別に可愛い女性の生主でなくても、そこそこ人気者になる事は可能だと気付き、私も料理放送を始めたのだった。「みなさん、こんにちは。マナです。今日はオムライスを作っていくよ。」放送を開始するといきなり来場者数が5増えた。やはり料理放送は需要があるようだ。しばらくすると「初見」というコメントがながれた。私は初めてニコニコ生放送でまともなコメントをしてもらったのだった。その後「料理放送は毎日やっているんですか?」というコメントされた。すごい、普通にコメントされるぞ。私は少し感動した。私は「はい。毎日放送する予定です。」と答えた。私はニコニコ生放送で、普通に人と会話している事が不思議な感じだった。「あれ?私ってコミュ障だと思っていたけど、人と普通に会話できるぞ。」と思った。でも、まあリアルで会ってしゃべっているわけじゃないから、実際、人と会ってしゃべるのは無理そうと思った。「目とかあわしてしゃべるとか絶対無理」。私は、料理の知識があまりないので、視聴者に作り方を教えてもらいながら、料理を作ったのだった。私はこの放送スタイルは私にあっているなと思った。最終的に来場者数は20人だった。料理放送終了後、コミュニティとフォロワーの数をチェックすると1人ずつ増えていた。私の初めてのフォロワーだ。私は自分が少し認められた気がして嬉しく思った。


(続く)

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