国立仮想電子高等学校について
少し、学校について紹介をしようと思う。
20XX年、IT技術の目覚しい発展により、ゲームなどのエンタメ分野のみでなく、教育や医療などにもVR(仮想現実)の技術が活用されるようになった。
国立仮想電子高等学校は、なんらかの理由でひきこもりになった生徒を社会復帰させることを目的として試験的に設立された学校である。
学校のパンフレットにはオンラインゲームのような環境で教育を受けることで、生徒の精神的負荷を軽減しつつ、ひきこもりになるにいたったトラウマの解消を行うことで社会復帰を目指せる学校と書いてある。
おそらく、ひきこもりでもMMORPGなどのオンラインゲームでは他者と交流しているケースも多いため、同じような環境で教育を受けさせればひきこもりの人数を減らせることができるんじゃね?と国のエライ人が考えたのだろう。
ひきこもり当事者の俺から言わせれば、そんな短絡的で甘い話があるかと思うのだが、ゲームをプレイするだけで学校にいったことになって、親にも怒られずに済むならラッキーだと思い、今はとりあえず学校に通っている。
学校の1日の流れとしては、午前中は通常授業で勉学に勤しみ、午後は学校内に設立されたギルドからクエストを受注してMMOPRGのようにゲームを楽しむことができる。
学校の特徴としては大きく2つある。
1つは学校には学内で使えるポイント(貨幣のようなもの)が存在し、
学校生活を楽しむためのスキルやアバターと交換することができるということ。
例えば、色眼鏡(いろめがね)というスキルがあるのだが、他の生徒の見た目を自分の好きなアイドルやキャラクターに変更することができるものがある。
あくまで自分から見える世界のみではあるが、人によっては自分の好きなキャラクターが目の前にいるというのは学校に通うモチベーションにもつながる人も多いのだろう。こんな感じで生徒が学校に通うモチベーションがあがるようなスキルが数多くあるのだ。
ちなみにポイントは学業の成績や授業態度などから決定し、毎月配布されるようになっている。
2つめは、それぞれ生徒にはひきこもりを解消するために「ミッション」が与えられているということだ。
ミッションは不定期に発表され、内容は人によって様々である。
ミッションについては俺もまだ未体験なのでいったいどんな内容が課されるのかわかっていない。またミッションをクリアするとボーナスポイントとアイテムがもらえるようになっているらしい。
以上が今わかる範囲での国立仮想電子高等学校の紹介だ。
俺も入学して1ヶ月なので、徐々にわかってくるだろう。
・・・まあ、学校に通い続けることができればだけど。
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