第48話 【番外編】ミーナ嬢の菓子作り・実態調査報告書。
ベルトハイドの使用人が、ミーナ嬢のお菓子が出来るまでを、実態調査しております。
ミーナにお菓子作れるの…?と、疑問をお持ちの方。
よろしければ、お読みくださいませ(*⁰▿⁰*)
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ミーナのご令嬢的、3分クッキング。
★ベルトハイドの使用人視点★
はじめまして。
私は、代々ベルトハイド家と共に歩む家門の生まれで、イリス様にお仕えしております。
名前は言いません。
しがない使用人の1人に過ぎませんので、どうぞ心置きなく、お忘れくださいませ。
▼△▼
アカデミー内では、主人の生活を邪魔しないように、極力接点を持たず、陰ながら主人の生活をお支えする。これが私の現在の業務です。
それに加え、日々、ささやかな諜報活動や、護衛、侍従としての役割を果たしております。
今回は、本家からの命令により、"ミーナ嬢の菓子"の調査を担当させて頂きますので、よろしくお願い致します。
▼△▼
「え?ミーナのお菓子作りの秘密が知りたい?えー。やだもんねぇ!教えてあげないよーだ!乙女の秘密なんだもんねぇ!」
「…」
先ず最初に、聞き取りでの調査を試みたが、彼女の話は要領を得ない為、行動調査に移行する。
以下に、調査内容の報告を記す。
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16:00 ミーナ嬢、アカデミーから帰宅。
17:00 着替えを済ませた後、料理人によって、既に用意された菓子の生地に、その日の好みの型抜きを選び、型を抜く。(本日の作成予定:クッキー)
2枚分の型を抜き、ミーナ嬢が担当する、菓子作り終了。
17:15 ミーナ嬢退室後、メイドが2枚分だけ型が抜かれた生地の余りから、残りの分の型を抜く。(おおよそ100枚分)
19:00 夕食。
20:00 入浴。
21:00 就寝。
〜翌日〜
5:00 料理人が、昨日、型抜きした生地を焼き上げる。
ミーナ嬢は、当然夢の中。
7:55 ミーナ嬢、起床。
8:15 ミーナ嬢が菓子の焼き上がりを確認し、いくつか摘み食いをして、自分の作った(?)菓子の出来を確かめる。
『おいしぃー!ミーナって…やっぱり天才かも!?』
※(試食後の本人コメント)
8:30 メイドによって紙袋に詰められた菓子を持って、アカデミーに向かう。
※ミーナ嬢は通学途中に、手掴みでの試食を繰り返す。
8:55 アカデミーに到着。菓子をステラ嬢に渡す。
9:00〜12:20 ミーナ嬢は講義受講。
(寝ていたり、遊んでいたり、喋っていたり、受講態度は極めて不良)
※この間、ミーナ嬢の菓子は、ずっとステラ嬢が所持しており、休憩時間や講義の空き時間を使い、ステラ嬢が菓子の仕上げ加工や、小袋への仕分けを施していた。
12:30 ミーナ嬢はランチタイムの前に、ステラ嬢によって小分けにされ、加工された菓子を、受け取る。
12:40 ミーナ嬢から菓子を回収し、アレクシス殿下の元へ、ミーナ嬢を連れて行く。
12:50 アレクシス殿下と昼食。
13:45〜15:30 講義受講。(ミーナ嬢は眠っていた)
16:00 ミーナ嬢がアカデミーから帰宅する。
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ミーナ嬢曰く、『ミーナねぇ!すごーく頑張って、毎日お菓子を作ってるんだぁ!褒めて褒めてぇ?』とのこと。
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以上が、行動調査の結果である。
この調査で判明した、ミーナ嬢が自身の作った菓子を、多量に摘み食いしている事実から、彼女が作った時点では、菓子に毒が含まれていない。と、考察される。
以上の調査結果を元に、今後は、最終的に菓子に加工を施している、ステラ嬢を監視する。
以上を持って、報告とする。
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