第27話 我慢は終わり。 食卓



計画第3段階終了。

ベルトハイド公爵邸。

夜・食卓。



 静かな食事が終わり、皆の手元に真っ赤なワインが行き渡る。


 皆の準備が整ったところで、公爵が口を開く。

「我が麗しき同胞達よ。これまでご苦労様。まずは乾杯するとしよう」



「悲願達成の為に」

 公爵がグラスを持ち上げる


「「「悲願達成の為に」」」


 公爵に続いて、皆がグラスを持ち上げ、音のない乾杯を交わした後に、血の様に真っ赤なワインを一同が呷る。



 そして、グラスを傍に置き、公爵が優しい笑顔で語りかける。


「ここまで皆、よくやってくれた。


 …そして、よくぞ我慢してくれた。

 皆の協力に心より感謝する」



 少し間をおいて、公爵が再度口を開く。



「…あとは、皆で見守ろうじゃないか。


 我々がやってきた事が、どんな結末を迎えるのかを。


 そして時が来たのなら…好きなように、狩り取って良い」




 公爵の言葉に、皆が嬉しそうに微笑んだ。


 それは、美しい家族の美しき光景だった。



 この美しき姿と綺麗な笑顔の裏で、全員が悪事を考えているとは、誰にも想像が出来ないだろう。






 王位奪取計画・第三段階・種蒔き。

 第3段階 種蒔き 終了。

 悪意の種・開花待ち。




▼△▼






 ベルトハイドの蒔いた悪意の種は、事件の関係者達を気付ない内に、じわじわと…けれど確実に、追い詰めた。


 

 獲物達が、自分の首が締まっている事に気が付いて、焦り、苦しみ、踠いても…間に合わない。



 その無駄な足掻きは、ベルトハイドを喜ばせるだけだった。



 1人、また1人と、ベルトハイドは追い詰める。



 ここから先は、ベルトハイドの狩りを、各・獲物視点で、お楽しみあれ…。








……………………………………………………





お読み頂き、ありがとうございます(^^)

3人視点・5人狩りになります。


出来るだけ一気に上げていきます。

朝は重いので、夕方か夜にあげていきます。


お付き合い頂けたら嬉しいです。

よろしくお願い致しますm(_ _)m


 

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