第12話 幕間。 アリス&イリス 双子視点。


計画実行2日目

ベルトハイド公爵邸

アリス&イリス




 講義を終えて、兄妹で同じ馬車に乗り、帰宅する。



 会話はない。仲は悪くないが、喋る必要性を感じないので、お互いに口を開かない。



「「「「「お帰りなさいませ。イリス様・アリス様」」」」」」


 いつものように使用人達に出迎えられ、そのまま部屋へと向かう。



 しかし、いつもと違って、執事のセバスに呼び止められる。



「お2人ともお疲れの所、大変恐縮で御座いますが、旦那様と奥様より、お2人に向けての、ご指示を頂いております。


 本日、旦那様と奥様は夜会へ参加されるため、イリス様とアリス様が、ご帰宅されましたら、こちらの資料にお目通し頂くように、申しつかっております」



 それぞれに分厚い資料を差し出される



「旦那様からは、どう使おうと構わないが、有意義に活用しなさいと、ご伝言を承っております」



「そうか。ありがとうセバス」

 と、イリスが。


「…部屋まで運んで頂戴?」

 と、アリスが。



 それぞれ返答する。




 用意された資料には、第二王子殿下派閥の、令嬢・令息と、その家門の情報、現在の噂話から歴史まで、全てを網羅した分厚い資料だった。



 どうやって調べたのか、いくらかかったのか、推測もつかないが、楽しい事をしよう。と、ぼんやりと思考する。



 片割れの兄妹も同じ事を考えていると、何となく思いながら、その日はそれぞれの部屋へと消えていった。




 王位奪取計画・第ニ段階

・双子が情報を仕入れ、使い方を思考する。

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