始まりは突然(第二章)

 その日の夜。霞と飛鳥はよく行っている遊具のない公園で待ち合わせしていた。そこへようやく祐希が合流した。

「ごめん。夕飯食べて準備してたら遅くなっちゃった。」

「全然大丈夫だよ。私たちだって今来たばかりだからね。」

飛鳥はそう答えた。霞が二人に言った。

「それじゃあ行こうか。やめるなら今のうちだけど二人共大丈夫?」

「だ、大丈夫だよ。みんなで協力していけばね。」

祐希は霞にそう答えた。

「私だってこんなんでビビっていたら新聞部やめてるよ。」

飛鳥は笑顔でそう言った。霞も二人を見て笑顔でうなずいた。それを合図に三人は自分たちが通っている学校へと向かった。しばらく歩いて三人は夜の学校にたどり着いた。不気味なくらい静かだ。今にも何かが出てきそうな雰囲気で三人は圧倒され、正門の前で立ち止まっていた。不気味な雰囲気に圧倒されながらも霞は口を開いた。

「なんか思っていた以上にめちゃくちゃ怖いね。」

「そうだよね…。今にも何か出そうな感じ…」

飛鳥もおびえながらそう答えた。祐希もおびえながら口を開いた。

「二人共、やっぱりやめて帰ろうよ。怖すぎるよ。」

飛鳥もおびえながら言った。

「そうだよね。これって…入らない方がいいと思うけど…やっぱり帰ろうよ!」

霞はそんな二人に何も答えずに黙って不気味な校舎をじっと見つめていた。そんな霞に対して飛鳥は声をかけた。

「ねえ霞、怖すぎるから帰ろうよ!なんでさっきから黙っているの?」

「ここまで来たら行くしかないでしょ!このままでは新聞部が廃部になってしまうのよ!」

霞はそう答えるとどんどん正門から入っていき、校舎へと向かっていった。

「こうなっちゃったら仕方ないね。」

「行くしかないじゃん。」

飛鳥は祐希にそう答えると霞について行った。

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