始まりは突然

@Rui570

始まりは突然(第一章)

 ここは日本のどこかにある高校。この高校には全身白ずくめの女が夜になるとどこからか現れるという噂があった。その噂を信じない生徒が大半だったが、それがやがて本当になるとはだれも知らなかった。ある日のことだった。忘れ物があったため、夜の高校に来た生徒たちが行方不明になったのだ。たった一人だけ家に帰ることができた生徒がいた。その生徒は放課後に大慌てで新しい記事が全くできずに廃部寸前となっている新聞部の部室にやってきた。

「これ、俺が前に撮った写真なんだけど…!」

その写真には全身白ずくめの女性が写っていた。新聞部の桃崎霞が尋ねた。

「夜の学校で何があったの?」

「前に忘れ物取りに行ったらこの女に追いかけまわされた。俺は助かったけどほかのみんなはどうなったのかわからない。その後家に帰っていないみたいなこと聞いたんだ。」

それを聞いた霞は驚いてその場で凍りついた。霞だけではない。他の部員たちも驚いた表情だ。最近行方不明の高校生が自分たちの学校に増えているため、霞たちは怖くなった。霞の親友で同じ新聞部の部員である福田祐希が口を開いた。

「最近そういうの増えているけどなんか怖くない?」

「そ、そんなことある訳ないじゃん!」

同じ新聞部の武田飛鳥はそう言うが、少し震えている。おびえているのだ。祐希が飛鳥を少しからかった。

「飛鳥、もしかしてビビっているの?」

「そういう祐希だって怯えているじゃない!」

「ねえ二人共、今夜学校に忍び込んでみようよ!」

「「え~~っ!」」

霞の驚くべき提案に飛鳥と祐希は驚いて声を上げた。

「夜の学校であの白い人の正体を探ろうとでも言いたいの?」

祐希が大声で言った。

「そうだよ。もしも帰れなくなっちゃったらどうするの?危険すぎるから先生たちに任せようよ!」

飛鳥も声を上げる。しかし、霞の気が変わる気配はない。

「夜の学校に忍び込んであの白い女の正体を探れば新しい記事ができて新聞部の廃部も回避できるかもしれないじゃない!」

それを聞いた二人はしばらく黙り込んだ。やがて飛鳥が口を開いた。

「私は霞と一緒に行くよ!廃部を回避するだけじゃなくて行方不明になったみんなを助けたい!」

やがて祐希も口を開いた。

「行方不明になったみんなはどうなったのかはわからないけどせめて友達だけは失いたくない。だから私も行くよ!」

新聞部に所属している三人は夜の学校に忍び込んで謎の女と行方不明の生徒の真相を調査し、新聞部の廃部を回避することを決意した。

 

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