6
次の日の夜。私はいつも通りこの地での家族にバレない様に、昨日治療した元悪魔憑きがいる洞窟に向かう。
「やあ、考えはまとまったかい?」
と、声を掛けつつ洞窟の奥にいる彼女に近づいていく。
「はい、申し訳ありませんが、私では貴方様のお役にたてる事は出来ないと思いますので、お断りさせて戴きます」
「そうか、それは残念だ」
私はその回答を聞くと彼女へと魔法を行使し、彼女の脳を含む全身の神経系を焼き切った。
その後新しく神経系を構築し、私の都合の良い様に育たせる為の基礎となる人格をインストールした。
「気分はどうだい?」
「はい、とても清々しい気持ちです」
「君の役目は?」
「私の役目は主様に仕え、主様のご期待に答える事です」
取り敢えずは問題なく稼働している様だ。
「ふむ、では当面の間は悪魔憑きの確保をお願いしよう」
「畏まりました」
こうして私は、私にとって都合の良い駒を用意する事に成功した。これからは彼女が悪魔憑きを探してきて、私はその治療をするだけで良い状態になるだろう。
あっそうだ、名前を新しくつけようかな。そうだな…
「君の名前は今日からツェードだ」
「はい、私の名前はツェードです」
ふむ、まだまだ生まれたばかりだからか感情の起伏に乏しいな。
まあ、時間が経過する毎に促成するだろう。急ぐ事はない、じっくりと観察をしながらもっと私好みになる様に手を入れていけば良い。
それから私は姉様と妹のシューンといつもの日常を楽しみつつ、夜はツェードの報告を聞く日々を送っていった。
ツェードの感情は日増しに活発に動く様になり、同時に行った調整も相まって、中々に私好みの女性へと育っていった。
ただ、次のメンバーは自主的に私の元で活動する判断をしてくれる様に、ちゃんと色々と手を加えないと行けないかな?と、そんな事を思いながら過ごす事一ヶ月程。遂に次のメンバー候補となる悪魔憑きを発見した報告がツェードからもたらされるのだった。
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