宇宙人と出会って(第十章)

 ウーカーたちは円盤を基地に変形させてその基地から次々と武器を取り出した。

「まずは手始めに近くの人間どもを町ごと吹き飛ばしてやろうか。」

ウーカーはそう言うと部下たちと共に町の方へと歩みだした。そこへレイトとモンカーが現れ、ウーカーたちの行く手をふさいだ。ウーカーがモンカーに言った。

「モンカー、俺たちと一緒に来い!」

「断る。お前らの好き勝手にはさせないぜ!」

モンカーはレイトと共に光線銃を構えた。今にも戦いが始まりそうな空気だ。

「邪魔者は消えてもらう。お前ら、やれ!」

ウーカーの部下たちが襲いかかってきた。レイトはモンカーに渡された光線銃から光弾を発射して次々と襲いかかってくる宇宙人たちをうち倒していった。しかし、倒すたびに次々と敵の数が増えてきてきりがない。モンカーが森の奥の方へと一人で走っていった。

「おい!どこ行くんだよ?」

レイトはモンカーに気を取られ、その間に大勢の宇宙人に押さえつけられて動けなくなってしまった。ウーカーはレイトの方を見て笑った。

「はっはっは!仲間に裏切られてショックみたいだな。まあいずれアイツも殺すんだがな。まずは貴様の番だ!」

ウーカーは刃が青く光っている大剣を構えるとレイトを斬りつけようと勢いよく振り上げた。その時だ。どこからかモンカーの声が聞こえた。

「レイト、どけえ!」

その声を聞いたレイトは右腕をつかんでいる宇宙人を頭突きで倒してから右手で自分を取り押さえているエイリアンたちに強烈なパンチを食らわせてからその場から急いで離れた。

それと同時にどこからか無数のミサイルが飛んできて多くの宇宙人が吹き飛ばされた。

「「「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」

モンカーはレイトのもとへ駆け寄ってきた。

「レイト、大丈夫か?」

「大丈夫だ。そんなことより今のなんだ?」

モンカーはレイトの質問に答えるために説明し始めた。

「俺は先程宇宙船に戻ったんだ。強力なキャノン法があることを思い出してな。宇宙船が壊れちまったから発射できないかと思ったが、ミサイルとかを発射することはできる状況だったからラッキーだったぜ。」

「なるほどな。とにかく助かったぜ。奴らの計画もこれで終わったな。」

戦いが終わったと思い込んでいたその時、どこからか不気味な声が聞こえた。

「まだ俺は生きているぞ。残念だったな!」

次の瞬間、木の上からミサイルで吹き飛ばされたはずのウーカーが飛び降りてきてモンカーに強烈なパンチをお見舞いした。

「うわあぁぁぁ!」

突然の攻撃によってモンカーは悲鳴を上げながら吹っ飛んだ。レイトは光線銃を構えるが、ウーカーの手刀で叩き落され、そのまま殴り倒されてしまった。モンカーが短い筒のような物をレイトに投げ渡した。

「これを使え!」

レイトはそれを受け取るが、使い方がわからない。

「これどうやって使うんだよ?使い方がわからねえ!」

「持ち手のスイッチを押せ!」

次々とくるウーカーのパンチを避けながらモンカーはそう言った。モンカーの言う通りレイトはその筒にあるスイッチを押した。その瞬間、緑色のレーザーが飛び出て剣の刃のようになった。これにはレイトも驚いた。

「何これ?めちゃくちゃ強そうだな。」

「俺たちの星では最強の武器と呼ばれているコスモカリバーだ。お前は使ってくれ。」

「わかった。」

そう言うとレイトは光の剣を構え直してウーカーに斬りかかった。モンカーは持っていた光線銃を逆手に持ってそのまま殴りかかっていった。しかし、攻撃は簡単にかわされてしまい、強烈なキックを受けてしまう。レイトも剣をウーカーの背中に向けて振り下ろすが、ウーカーはびくともしない。ウーカーは両手でレイトとモンカーの喉を締め上げた。

「俺の勝ちだな…!はっはっは!」

レイトは持っていた剣をウーカーの胸部に突き刺した。

「うう…。貴様…」

ウーカーは二人を離して胸部を苦しそうに抑えた。自由の身となったレイトは再び剣を構えて向かっていった。モンカーも刃が紫色のレーザーでできたコンバットナイフのような武器で斬りかかった。レイトはウーカーの目の前で飛び上がると剣で敵の右肩を切りつけた。その後にモンカーが滑りながらウーカーの右足を切りつけた。

「今だ、レイト!」

モンカーの言葉にレイトはうなずくと剣を構えて勢いよく突っ走っていった。そして目の前に来て勢いよく剣を振り下ろそうとした瞬間、ウーカーの強烈なパンチをもろに食らってしまい、レイトは勢いよく吹き飛ばされてしまい、仰向けに倒れこんでしまった。

「フフフ…。これこそが逆転だな…!」

ウーカーはレイトが使っていた剣を拾うとそのままレイトに突き刺そうとした。

「やめろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

モンカーが猛スピードでレイトの前に立ちはだかった。おかげでレイトは助かったが、ケンはモンカーの体を貫通してしまっている。

「モンカー!クッソォ!」

レイトはモンカーが使っていたナイフを拾うとその場から逃げ出した。

「お前を生きて帰すわけにはいかないぜ。覚悟しろ!」

そう言うとウーカーも猛スピードでレイトを追い始めた。レイトはモンカーが乗ってきた宇宙船にたどり着き、宇宙船の中から爆弾を見つけた。振り向くとウーカーが剣を持った状態で走ってきている。

「くらえ!」

レイトはそう叫ぶとモンカーのナイフを最初に投げつけた。ウーカーは剣でそれをはじいて笑った。

「残念だったな。俺様の勝ちだ!」

そう言った直後に爆弾が飛んできてウーカーの体に当たると同時に大爆発を起こした。

「ぐわああああああ!」

大爆発で炎が上がり、ウーカーはそのまま燃え尽きた。

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