宇宙人と出会って(第九章)

 侵略者たちの魔の手が迫っていることなど知らずに警察官たちを振り切ったレイトとモンカーはモンカーが乗っていた宇宙船に隠れていた。モンカーは人間の姿から宇宙人の姿に戻りながら言った。

「なぜ俺を助けた?俺は侵略者だぞ。人類の敵なんかを助けてどうするつもりだ?」

「たしかにお前は宇宙人だ。けど、何も悪いことさえしなければ地球人だろうが宇宙人だろうが関係ない。俺はそう考えている。けれど、もしお前がそれでも地球を侵略しようと考えているのなら俺がお前を倒す。」

それを聞いたモンカーはにやりと笑みを浮かべた。

「はっはっは!そういう考えか…面白い奴だな…お前…!」

高らかに笑ったモンカーを見て今度はレイトが聞いた。

「何がおかしいのか教えてくれ。」

「おかしいんじゃねえ…。俺はお前が気に入っただけだ…。」

それを聞いたレイトはうなずいた。その直後に夜空を青白い光が横切って山のさらに奥の方へと落ちていった。

「なんだ?奥の方へ落ちていったぞ!」

レイトは奥の方へと進んでいく。モンカーもレイトについていく。そこには円盤が着陸していた。その円盤の中から猿のような宇宙人が大勢出てきた。それに驚いたレイトは木の陰に姿を隠した。モンカーも姿を隠す。レイトが小さな声でモンカーに質問した。

「あいつらは何者なんだ?お前の仲間か?」

「奴らは俺の仲間だ。俺と同じ星から来た同族だ。」

モンカーは小さな声で答えた。レイトが言った。

「ということは地球を侵略するためにやってきたということか…。それならあいつらを止めないと…!」

「レイト、本気で言っているのか?さすがに無茶だろ。」

モンカーはレイトにそう言うが、レイトの考えは変わらないようだった。

「たしかに無茶だとは思う。けど俺は平和のためならなんだってしたいんだ!」

モンカーはそのことを黙って聞いていたが、やがて口を開いた。

「なるほどな…いいだろう。やっぱりお前は面白い奴だな。協力してやる…!」

その言葉を聞いてレイトは驚きを隠せなかった。

「急にどうしたんだよ?お前の目的は地球侵略じゃなかったのか?」

「俺はお前のことが気に入ったと先程言ったはずだ。だから俺はお前に協力する!」

モンカーの答えにレイトはうなずいた。

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