第5話 不思議なお話Ⅱ

翌日、健は朝からあたふたしていた。

世那に昨日教えてもらった都市伝説を思い出したのだ。


「砂時計どこにあったかな…」


昨日の夜は帰ってくるなり寝落ちしてしまった健。普段使ってない砂時計を探すのは困難だった。



「あったー!」

ようやく俺は砂時計を見つけ出したのだ。


「でも本当に砂時計をひっくり返しただけで時が戻るのかなぁ」

健は、半ば疑いながら恐るおそる砂時計をひっくり返してみた。が…何も変わっていない?



しかしよく見ると…




家の時計の針が逆回転してるではないか!





そして逆回転する時計の針をみつめること3分…

「止まった…」




でもこれで本当に時が戻ったのだろうか。健は外を見てみた。

すると、今は夏のはずなのに桜が散っていた。通行人を見ると、誰が見ても春服を着ていた。

そして近所の小学校の看板を見ると、「入学式」の看板が飾ってあった。




もしかして⁉




本当に時が戻ってる⁉






しばらくの間、健の間には沈黙が生まれた…が、、、


時が戻ったことに気付いた健は考えた。そしていいことを思いついた。

それはあの時ひと目惚れをした沙理に、今度は会う時間をもっと重ねてから告白することだった。

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ある朝、砂時計をひっくり返したら本当に時が戻りました 葵羽 @kamatama822

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