第4話 不思議なお話

まだ想いを伝えてる途中だったのに…。

沙理にあんな言葉をいわれた健は、彼女と別れるなり、友達にさっき起こった出来事を愚痴っていた。


「なぁ~、世那」

「どした?健」

「今日一緒にフェスに来てくれた平川さんいるじゃん?」

「おう」

「俺、会社で出会った時に彼女に一目惚れしてさ。さっき世那たちがお手洗いに行ってる時に好きっていう気持ちを伝えたわけよ」


「お前のことだからそんなことだと思ったよ。それで?」

「伝えようとしたんだけどさ、、」

「さ??」


「伝えてる途中で彼女に言われたんだよ」

「なんて?」

「あなたのことを同僚以上にみることはできないって。あんな最後まで伝える前に言われて、俺ちょっと後悔してるんだよね」

「ふーん」

「ふーんってなんだよ!」


友達の世那は健と同い年なのだが、恋愛経験豊富で再来月には結婚式を控えていた。


「まぁいいじゃん、健のことだから好きな人なんかまたすぐできるって」

「何だよそれ」


「健、いいこと教えてあげようか」

「いいこと?」

「健の家、砂時計あるじゃん?」

「おう、あるよ」


そして世那は、この街に伝わる不思議なお話を話してくれた。


「この街には不思議な妖精がいて、砂時計をひっくり返したら時を戻してくれるっていう都市伝説があるんだって。本当に時が戻る確証はないけど、後悔してるなら一度やってみな!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る