第3話 ロックフェス

ロカヒロックフェス当日はここ最近の中で一番ぐらいの快晴で、夏真っ盛りの猛暑日の日だった。ちなみにあとからわかったことだが、フェスの名前にもなっている「ロカヒ」とは、ハワイ語で「絆」という意味があるらしい。健と沙理をつなぐ「絆」ということで、今回で彼女に想いを伝えようとしている俺にとってフェスの名前的にも好都合だった(笑)


「おはようございます!中林さん、今日は誘っていただいてありがとうございます」


水色と黒のワンピースに白のワイドパンツを合わせた「オトナ女子」コーデで待ち合わせ場所に登場した沙理。彼女は好きな気持ちにまだ気付いていないから合わせたわけではなかろうが、水色は俺の好きな色だった(笑)


「いえいえ!今日は来てくださってありがとうございます!」

(平川さんは私服も可愛いな~)




健と沙理はお互いのお目当てのロックバンドのライブを見て「今日は楽しかったね~」などと盛り上がっていた。そして健が勝負に出たのは、一緒に来ていた友達がお手洗いに行った時だった。


「平川さん」

「何ですか?」


「俺、入社した時に平川さんのことを見て一目惚れしてしまって……だから…」


健は言葉を続けようとしたが、彼女は俺の言葉を制するように言い放った。




「あなたのことを同僚以上としてみることはできないです。ごめんなさい」

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