第2話 人格破綻者
人格破綻者
俺は一人暮らしをしている。部屋には俺以外誰もいない。一階に住んでるおじいさんがカラオケをしてるのか、下からボンボンと音が聞こえてきた。全く不快ではない。むしろ、このアパートに俺以外の人がいたんだなと実感できて嬉しい。例えば、レオパレスのアパートがうちのアパートの近所にあるのだが、レオパレスは壁が薄いことで有名らしい。うちは割と頑丈な作りみたいで、音がほとんど聞こえない。上の階の足音は割とするけど。
俺は頭がおかしい。人格が狂ってる。
急にふっと我に帰る瞬間がある。
人格が破綻している。
それに気付いたところで、自殺以外の選択肢が見当たらない。
なんで生きてる?
俺は妄想の中にずっと生きている。
俺は完全に死んだ。Unknownは死んだ。
暗い部屋の中でぼんやりタバコを吸って、ウーロン茶を飲んで、孤独な夜をやり過ごす。
首を吊る度胸もなく。
全て俺が悪かった。
何も望まなければよかった。
裁断している。全てを切り離していく。
俺は愛されたいだけだった。俺の頭が悪すぎて、何もかもうまくいかなかった。学習能力も無かった。俺の気はどんどん狂っていく。
俺はさっき包丁で腕を切った。
こうしないと、俺は許されない気がしたからだ。と言っても、もう誰もいない。みんな愛想を尽かして離れていった。俺の気が狂っているから。
手首が痛くて、心が痛くて、俺は少し泣いた
俺は愛されたいだけだった
愛されたいなんて、そんな幻想に縋るのはやめよう
続く
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