第4話 気づかぬうちにfunnyな女になっていた
今日は出かける用事があったので、電車に乗った。
電車がホームに着いて、ドアが開いたので車内に乗り込もうとしたら、車内から手押し車のようなものに大きな荷物を載せておじいさんが降りようとしていた。
おじいさんは乗り込もうとしてた私に向かって、「ごめんね、ちょっと待ってね」的なことを言っていた。(正確に聞き取れないので100%合ってるかはわからないが。笑)
そこで、私は咄嗟に日本人的な感覚で「すいません」と言いたくなった。
でも、その時の日本語の「すいません」の絶妙なニュアンスと同様の英語を私は知らないので、ひとまずおじいさんに向かって「Thank you」と言った。
そしたら、おじいさんに大笑いされながら「You are funny!」(「あんた面白いね」)と言われた。funnyは少しバカにする時に使うって聞いたことがある。
確かに、「ごめんね、ちょっと待ってね」に返す言葉って、「大丈夫だよ」とか「ゆっくりでいいよ」とかだったよね。
「ごめんね、ちょっと待ってね」「ありがとう」っておかしかったよな、と冷静になって考えた。
日本語の「すいません」って、誰かを傷つける言葉でもなく無害だし、どんな場面でも使えるのでとにかく便利すぎて多様していた。
だって、「すいません」は、謝る時にも使えるし、ドアを開けて待ってもらった時にも使える。ポジティブ方向にもネガティブ方向にも使える便利すぎる言葉。
しかし、アメリカに来てから「すいません」を失った結果、私はとにかく「Thank you」をひとまず多様していたことに気がついた。
「Thank you」も「すいません」と同じく無害だし、便利な言葉だから。
でもよかれと思って使っていたけど、なんでもかんでもに「Thank you」というのもおかしい話だ。
想像したら何にでもお礼を言ってペコペコ頭を下げているロボットみたい。
よし、これから少しずつ英語を学んで、時と場合によってとっさに色んな英語の返答フレーズが出てくるようになったらレベルアップしたということにしよう。
今日は気分が上がらず、家にいたかったけど、こうして学びがあるから頑張って一歩外に出てみてよかった。自分を褒める。
とにかく今日は「すいません」への依存に気付いた記念日。
今日の一言:最近は寒くて、私はニットの下にヒートテックも着込んでいるけど、さっきすれ違った人は半袖短パンにアイスコーヒーを片手に歩いていた。3度見してしまった。
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