第3話 昨日ひとりで泣いた理由
昨日の夜、ひとりで泣いてしまった。
アメリカに来てから、ひとりで泣くことなんてよくあるのだが、昨日の泣いた理由は我ながらなかなか重く、そして深かったと思う。
その泣いた理由は家族を取捨選択しなきゃいけない事実に気付いてしまったこと。
私はいま、夫と一緒に居たいという理由ではるばる夫と一緒にアメリカにやってきた。
実家の親や兄弟、祖父母、おばおじ、いとこ、友人たち、みんな全員を日本に置いてきた。
だけど、昨日ふと、親とあと何回会えるんだろう。いつまで変わらず元気で居てくれるんだろう。そんなことを考えてしまった。
かと言って、夫だって別に若いけど明日何があるかなんて誰にもわからないわけで。
実家の親が段々年齢を重ねていくから、夫をアメリカに置いて日本で暮らしたとしても、夫がその間元気でいる保証はどこにもない。
ということは、結局家族含めた身の回りの大事な人全員と均等に満足いくまで一緒にいることの出来る方法なんて無くて、どこかで取捨選択しなければいけないんだよね。
これまで色んなことを取捨選択してきたけど、大人になるにつれ大事な人も増えていき、その結果家族さえも取捨選択しなければいけないんだと気付いた。
本当は同じ敷地で、私の大事な人全員を集めて暮らせたらいいのに。
(だけど、その大事な人たちにもそれぞれ大事な人が私以外にもたくさんいるわけで。思考が自己中女だよ。)
切ないような悲しいような。
でも悩んでいてもどうしようもないことだから、
「そんなふうに思えるほど大事人に出会えたこの人生に感謝だな」なんて思いを昨日は着地点にした。
納得したようなしてないような感じだけど。
ありきたりだけど、何度も聞いた言葉だけど、
会える時に、会える人になるべく会いに行って、感謝の気持ちを伝えよう。
多分どれだけ会っても、一緒に時間を過ごしても、
その人と永遠の別れをすることになったら「もっと一緒に居ればよかった」と絶対に後悔すると思う。
私はきっと、この後悔をするのが怖いんだろうな。
この後悔を自分が抱え込めるか不安なんだろうな。
異国の地にいるからこんなことを考えてしまったのか、段々と親が歳を取っていることを実感してきたから考えてしまったのか、自分でもわからない。
これが大人になるってことなのかな?通過儀礼?
そうだといいな。
今日の一言:今日スーパーで買った卵が、一番安いものを選んだのに1パック6ドル(約1000円)だった。なんでこんなに高いのよ〜卵くらいバクバク食べたいよ〜
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